敦芥『暴走』 ページ5
◆
1日1日が春に近づいてきて心地よいこの季節は、どうにも眠気が押さえきれない。古いアパートの一室で、武装探偵社員、中島敦は布団から出られずにいた。
「敦、いい加減に起きろ。でなければ刺す」
…この声を聞くまでは。
敦は急いで飛び起き声の主を凝視した。ただ言いたい事を叫び、全く主旨の分からない文章になってしまったが気にしない。
確かに声の主、芥川は昨日帰った筈。なら何故またいるんだ…?
「今朝鏡花から電話があった。敦、鏡を見ろ」
鏡花ちゃんが…?と首をかしげる敦に芥川は鏡を差し出す。それを見て敦は絶句した。
なんということだ。敦は半獣化している。異能の暴走とも見受けられるそれは、敦を混乱させるには充分だった。
「鏡花が朝一番にこれを見て驚き部屋を出たらしい。今は他の探偵社員の所にいる」
「いや、僕も状況が理解出来ないんだけど…てか鏡花ちゃんとお前って連絡先交換するほど仲良いの…?」
「笑止。僕と鏡花は元部下と元上司の関係。仲が良い訳ではない」
そう言いながら僕の入っている布団に潜っていく芥川を見過ごす僕じゃない。
「何やってるんだよ!」
「貴様をこうしていると落ち着くのだ」
敦に抱きつき、その半獣化したところを触る。その肌触りがあまりにも良いからか、芥川は次第に眠くなってきた。
「あの…僕…出社しなきゃいけないんだけど…」
「やつがれは寝る。今日は非番な故…」
「聞け!」
「いつも明日仕事だと言っているのに無理矢理やつがれを抱く貴様がそんな事を言うとは」
「急に喋らないで…。それより、今そっちは置いといて?」
「何故」
「色々話が絡まってややこしくなるんだよ」
「ずっとこのままでいてくれれば暖かくて冬場も大丈夫そうだ」
「僕怒った。今からお前のこと抱く」
敦の最後の発言は流石にまずかったのか、芥川は布団から抜け出そうとした。しかし敦の虎の腕力には勝てずにまた胸の中へ。
結局芥川は敦の気がすむまで相手をさせられ、気絶に近いような眠りについた。敦もそのまま寝てしまい、国木田の10通目のメールで起きたのだった。
そして無断欠勤となった敦は国木田から数時間に及ぶ説教があったとか。
♀♂♀♂
結果的にはいちゃいちゃしたから異能の暴走は止まったそうです。虎って大変。
リクエストありがとうございました。変わらず駄作ですが今後もよろしくお願いします。
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なかゞわとまと - あくたん`∀´さん» ですよね、わたくしもナンパとか日常茶飯事だと思います(( コメントありがとうございます!続編も頑張ります! (2017年4月22日 22時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
あくたん`∀´ - ふおおおおおおお!!やつがれ!やつがれちゃああああんっ!!…すみません、取り乱しました。書いていただきありがとうございます!やつがれちゃんは美人だからしょっちゅうナンパとかされてますよね!!← (2017年4月22日 9時) (レス) id: b724a19623 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - 桐宮さん» はい分かります。可愛すぎますよね、あの二人は探偵社とポートマフィアの天使だとわたくしは思ってます。 (2017年4月21日 22時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - あくたん`∀´さん» リクエストありがとうございます!モブ芥で、太宰さんと中也さんが助ける最高に最ッ高な感じのお話ですね、分かりました!(( (2017年4月21日 22時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - 7×7さん» いえいえ!またリクエストお願いします!掲載は続編のほうになると思いますが…(( (2017年4月21日 22時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なかゞわとまと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TOMOTO/
作成日時:2017年3月26日 23時