中芥『直後』 ページ19
◆
ミミックの抗争が片付き、その日の折檻が終わった芥川は、自室に戻るとそのまま玄関で倒れるようにして眠りについた。
…夢を見た。
芥川は太宰の執務室の入り口に立っており、目の前には長椅子で膝を抱える太宰がいる。泣いているようにも見える太宰の様子に、芥川はつい声をかけてしまった。
「…太宰さん」
芥川の呼び声に反応し、太宰が顔をあげる。その目にいっさいの光は無く、ただ空虚な闇が広がっていた。芥川は目を泳がせた。
僕は何のために声を掛けた？何故ここにいる…？
その時太宰が口を開いた。
「なんだ、芥川君か。…残念」
空からに乾いた声に温度は感じない。芥川は太宰の瞳から目を離せないでいた。
「…死んだのが織田作じゃなくて、芥川君だったら良かったのに」
其処で目が覚めた。夢だと安堵した芥川は、その直後全身が痛み出すことに気づく。そう言えば、昨夜は玄関で寝てしまったような。
痛む体を引きずり、太宰の執務室に行こうとしたが、昨日の血の臭いを混じらせて行けばきっと機嫌を悪くするだろう。
芥川は浴室へと向かった。
＊
浴室に行ってから数分後。芥川は素早く支度をし、太宰の執務室へと向かった。急かしてるような足取りは、先刻の夢のせいだろうか。
「………………太宰さん？」
言いつけ通りノックをし、少し待ってから扉を開けたというのに、其処に広がるのは机と長椅子だけの殺風景な景色だった。いつも長椅子で腰掛けて本を読んでいるあの人がいなかった。
「…だざいさん」
もう一度名前を呼ぶ。もちろん返事はない。
すると後ろから「芥川」と呼ぶ声がした。なんだ、先に来てしまっただけなのか、と後ろを向くも、
「中原、幹部」
太宰は立っていなかった。
何も考えられなくなった。手足の感覚が無くなり、口の中が渇き、視界が眩む。遠耳に中原が名前を呼ぶ声が聞こえたが、それには応えず芥川はその場に倒れた。
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なかゞわとまと - あくたん`∀´さん» ですよね、わたくしもナンパとか日常茶飯事だと思います(( コメントありがとうございます！続編も頑張ります！ (2017年4月22日 22時) (
レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
あくたん`∀´ - ふおおおおおおお！！やつがれ！やつがれちゃああああんっ！！…すみません、取り乱しました。書いていただきありがとうございます！やつがれちゃんは美人だからしょっちゅうナンパとかされてますよね！！← (2017年4月22日 9時) (レス) id: b724a19623 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - 桐宮さん» はい分かります。可愛すぎますよね、あの二人は探偵社とポートマフィアの天使だとわたくしは思ってます。 (2017年4月21日 22時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - あくたん`∀´さん» リクエストありがとうございます！モブ芥で、太宰さんと中也さんが助ける最高に最ッ高な感じのお話ですね、分かりました！(( (2017年4月21日 22時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - 7×7さん» いえいえ！またリクエストお願いします！掲載は続編のほうになると思いますが…(( (2017年4月21日 22時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なかゞわとまと | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TOMOTO/
作成日時：2017年3月26日 23時
