太芥『滑った』 ページ11
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リクエストありがとうございます。
♀♂
痛々しい音と共に芥川は壁に叩きつけられた。その衝撃で口から血を吐く。
芥川を蹴り飛ばした太宰はため息まじりに言った。
「命令無視、独断行動、そして任務途中に持病をこじらせて倒れる…。君は何故こうも出来損ないなんだい」
芥川の瞳が傷ついたように揺れる。唇を噛み締め、拳を強く握った。
太宰はまたそれが気に入らなかったのか、ふらふらと立ち上がった芥川をもう一度殴り付ける。だが今度は其処まで威力が無く、芥川は吹き飛ばなかったがその場に倒れた。
「ぐっ…」
芥川があまりの痛みに声を漏らせばそれに次ぐように太宰が口を開く。
「次こんな事があったら捨てるかもしれないね、君の事。…あ、でもそしたら嫁として私と結婚できるよ、もう部下じゃないんだし。むしろそっちのほうよくない?私芥川君のこと好きだから」
刹那、2人の間に亀裂が走る。太宰は己の言動に違和感を感じ、思い返してみた。
そして数秒後。太宰の顔が死人のようになっていく。
…どうしようどうしよう、心の声が漏れた、やばい、どうしよう。
暑くもない、むしろこの季節は冷える折檻室に太宰は一人汗を流す。
「…芥川君」
太宰が突然冷静な声で言った。芥川は今のこともあってか、太宰よりも動揺しているようだ。
「………私、変な否定はしないよ。なんせ芥川君と恋人になって手繋いで本部内歩いて周りにアピールしたいし、あーんしてもらいたいし、新婚みたいな雰囲気になって愛し合いたいし、いっそマフィア抜けて2人だけで生活したい。はい何か問題は」
一息で太宰が心の内を全て明かした。心なしか太宰は泣いてるように見える。
「問題ないと、思います…」
「そう、それじゃあさっそく付き合おうか」
しかし逆らうのが怖い芥川が肯定すると、思わぬ方向に話がいってしまった。
今言うつもりじゃなかったのに、と太宰は倒れていた芥川に近づきその華奢な体を抱き締める。
芥川は大きな目をいっそう見開き自分を抱き締める太宰を見た。それが何の合図だか、数年後の芥川は熟知している。
♀♂
キスの合図だと思います。というか数年後もいちゃついてるんですね。
返品可能ですよ。
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なかゞわとまと - あくたん`∀´さん» ですよね、わたくしもナンパとか日常茶飯事だと思います(( コメントありがとうございます!続編も頑張ります! (2017年4月22日 22時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
あくたん`∀´ - ふおおおおおおお!!やつがれ!やつがれちゃああああんっ!!…すみません、取り乱しました。書いていただきありがとうございます!やつがれちゃんは美人だからしょっちゅうナンパとかされてますよね!!← (2017年4月22日 9時) (レス) id: b724a19623 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - 桐宮さん» はい分かります。可愛すぎますよね、あの二人は探偵社とポートマフィアの天使だとわたくしは思ってます。 (2017年4月21日 22時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - あくたん`∀´さん» リクエストありがとうございます!モブ芥で、太宰さんと中也さんが助ける最高に最ッ高な感じのお話ですね、分かりました!(( (2017年4月21日 22時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - 7×7さん» いえいえ!またリクエストお願いします!掲載は続編のほうになると思いますが…(( (2017年4月21日 22時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なかゞわとまと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TOMOTO/
作成日時:2017年3月26日 23時