24,ノートン・キャンベル ページ5
.
「なん、で……」
Aは腰をひどく打ちつけたのか、顔を顰めながら呟く。
僕は久しぶりに彼女に触れた。
小さな肩に、柔らかな臭いのする黒髪。今日は学校があったのだろうか。最初に会った日に着ていた制服を身に着けている。重たげなプリーツスカートから伸びた白い足が小さく震えている。
「久しぶり、A」
出来るだけ怖がらせないように話しかける。
「ひ、久しぶりですね。ノートンさん」
「うん」
彼女の声を聴くのも久しぶりだ。
もっと聞きたいなと思い、彼女の唇に耳を寄せる。後ろからクラークやサベダーが何かを言うのが聞こえる。
耳障りだな。
彼女の耳に入らないようにそっと耳を閉じた。
「A、小説は書き終わったの？僕は君に会うのが楽しみで仕方なかったんだ」
「それは……とっても嬉しいです、ね？」
あ、良かった。
てっきり怖がっているのかと思ったら、Aはどうにも普段通りの様だった。
次は何を聞こう。
久しぶりに彼女を見たから、聞きたいことが後から後からあふれてくる。
思わず興奮して彼女の肩にのせている手に力を込めた。
「いっ……、」
「ああ、ごめんね。力加減を間違えちゃった」
怯えたように頬を引きつらせる彼女を見て、僕は慌てて謝った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 168人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「第五人格」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トバリ - 蜜月さん» お楽しみいただけたようで、何よりでした。ご縁があれば、また。 (2020年11月9日 21時) (
レス) id: e428776eb9 (このIDを非表示/違反報告)
蜜月(プロフ) - 完結おめでとうございます！更新を毎回楽しみにしていた身としては寂しいような嬉しいような気持ちで一杯です笑 作者様の書くノートン君が好きでした。次回作も楽しみにしてます。お疲れ様でした！ (2020年11月6日 23時) (レス) id: 20a9fa7637 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：トバリ | 作成日時：2020年10月10日 18時
