会いたい ページ36
公表すると、至る所から剛典に連絡が来てた。
勿論、三代目さんやEXILEさんからも連絡が来てて。
「ははっ、知ってる人達からも改めて来てるし」
『凄いね』
他にも俳優さんや女優さん達から続けて連絡が来てる。
有難い限りだ。
『君は、愛されてるね』
お腹を撫でると、自然と笑みが出てくる。
まだ見ぬ子供への愛情を、あっちこっちから伝わってくる。
我が子が愛されて嫌な気にはならない。
『男の子か女の子か、気にならない？』
「どっちでもいいよ、生まれてきてくれれば」
剛典はそう言ってくれる。
彼もまぁまぁな家庭環境で育ったらしいから、そうなのだろう。
いや悪い意味とかじゃなくて、苦労はしてきたらしい。
毎日勉強漬けで、頭おかしくなるかと思ったこともあったらしく。
「ただ、好きなことさせてあげたいな」
『ダンスじゃないんだ？』
「ダンスは好きでするもんだからね。
俺やAが強制して嫌いになって欲しくないし」
彼も私も、演じる仕事が多くなってるけど、元はダンサーだ。
私だってダンスや歌が上手かったことからスカウトされて、
E-girlsとは別枠でデビューさせて貰えた。
剛典はそう言ってソファーに凭れると、そこから私を見る。
私も自然な流れで彼に身を寄せた。
「楽しみだな……」
『うん』
ゆったりとした口調のまま、剛典は私のお腹を撫でた。
少し撫でたかと思ったら今度は私の頬を撫でる。
「メンバーもさ、凄い喜んでくれてた」
『そっか』
「うん」
『嬉しいね』
「後輩メンバーも凄い喜んでくれてるよ」
『そうなの？』
「うん、早く会いたがってた」
二人しか居ないのに、私達は小声で話し合う。
お互いの喜びを共有し合うための、二人の時間だ。
「一番会いたいのは勿論俺だよ」
『子供好き？』
「うん」
私は剛典の手を握って、その手にキスをした。
今更だけど、彼は今日休みである。
「何、誘ってんの？」
『……どうだと思う？』
「んじゃ、そう捉えるよ」
彼は私にキスをして抱き上げた。
華奢なのに鍛えてるだけあって安心感が凄い。
『あー、幸せ』
「ん？」
『あなたの前でだけ、女の子で居られる』
「それは嬉しいね」
剛典はそう言って、寝室のベッドに私をゆっくり降ろした。
そしてお腹に負担をかけないように跨る。
「愛してるよ」
『私も愛してる』
そして私達は体を重ねた。
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作者名：雪乃 | 作成日時：2023年7月4日 0時
