THE Four Seasons【K.N】Part4 (ページ7)

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97.キミが好きなものはボクも好き…sideO ページ7

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「…おいしい！！」

智「ふふ、良かった。」

「白菜取ってもらえますか？」

智「うん、…はい」

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美味しい。美味しい。と連呼しているAちゃん。

…可愛いが溢れている。

なかなか箸が進まない。

出来ることならば、ずっと見つめていたい。

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智「ビール、飲む？」

「飲んじゃいますか？」

智「一応、買ってきたんだよなぁ」

「用意がいいですね！」

智「だろ？」笑

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さっき冷やすために冷蔵庫に入れたビールを迎えに行く。

…冷蔵庫を開けて、キンキンに冷えたビールを掴んだ瞬間

こんなことをしていいのか、と今更思う。

そうだ、彼女は二宮の元カノだ。鈴香さんに聞いたのは「別れたくなかったのに無理やり別れさせられた」。

…彼女はこれで幸せでいてくれてるのか。

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『大野さんが一番です。』

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彼女のそんな言葉を思い出す。

…いつでもその言葉が救いだ。

その言葉を盾にして、なにもかもから逃げてることを否定していた。

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智「…お待たせ」

「わ！乾杯しましょ！」

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…俺は、キミの笑顔を糧に頑張っていた。

馬鹿馬鹿しいことかもしれないけど、恋の力は偉大なんだ。

子どもみたいなことも考える。…大人のクセに。

自分のものにするために相手が喜ぶことをしたりして、相手が笑顔になったら満足するんだ。

…子どもみたいでしょ？

男は大抵、そういうものである。

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智「…乾杯！」

「カンパーイ！」

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はしゃぐ君の顔を見て、自然に笑顔になる。

鍋を幸せそうにつついている。

ビールを飲んでいる。

ビールが好きなキミ。それなら俺もビールは大好き。

…できれば、似たもの同士でありたい。

誰もが認めるお似合いカップルだと言われたい。思われたい。

そんな欲望が頭の中を埋め尽くす。

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「大野さん」

智「…ん？」

「…カズに言い寄られてないって言いました」

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白菜を食べる手が止まる。

…わかりやすいな俺も。

嘘をつくのが上手いと、鈴香さんには言われたけど

…無理なモンは無理だし、好きな人が近くにいれば余裕失くすんだよ。

そういうモンだ。

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「言い寄られてます。」

智「…だよね」

「言えなくてごめんなさい」

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声が潤んでいる。

…そんなに俺は酷い男なんかじゃない。

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女の意見も聞かずに別れる最低男じゃない。