123.一緒にいたいのに、居れないのは... ページ33
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出会い別れは所詮、運命。
私とカズが別れたのも運命。
私と大野さんが出会ったのも運命。
カズと葵さんが別れたのも運命。
大野さんと鈴香さんが縁を切ったのも運命。
そして、私と大野さんが別れたのも...また運命。
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カズと別れてしまったのは葵さんがいたからで
その別れがあるから大野さんと出会えてる。
...鈴香さんがいなければ私はひとりで過ごしてることになってる。
私の人生はいろんな人が支えてるから出来てるもん。
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この恋愛関係もいろんな人が関わりあってきた。
...それがいよいよ終わりに差し掛かろうとしてる。
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朝起きたら、もうあなたはいなかった。
...仕事に行ってた。
いつもよりあなたが出ていくのが早かった。
...大野さんの荷物なんてものは一切残っていなくて
なぜか私の家に置き去りにされてたルアーも無くなっていた。
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昨日の夜はただただキスをしてただただ涙を流すだけの日だった。
抱きしめ合うことなんて一回もなかった。
...きっと、愛がなかったんだろう。
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出来ればずっと一緒にいたいのに居れない。
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大野さんは私がカズと幸せになりたいって思って
決死の覚悟を持ってわたしと別れた。
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『ねぇ大野さん』
智『なに？』
『出会えて良かったです』
智『それは俺も同じ気持ちだよ』
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思いは通じあってるはずなのに、なぜこんなに辛いのか。
お互いは幸せになりたいって思ってるのに、なんでこんなに辛いのか。
...それは私が曖昧なせい。
世間一般的にこの物語の悪女は葵さんだとか鈴香さんだとか言うんだろうけど
...一番の悪女は私なんだろう。
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智『...Aちゃん』
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スルスルと髪を撫でた。
その手は、大きかった。
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...覚えてる？
私だってあなたのためにたくさん泣いたよ。
大野さんが葵さんのこと好きなんていっぱい言うから
私だっていっぱい泣いてたよ。
...私だって大野さんのことちゃんと思ってたよ。
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智『本当に俺のこと好きでいてくれた？』
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この言葉がこんなに切ないなんて、私は知らなかった。
あなたはいつでも切なくて、悲しくて
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『好きに決まってるじゃないですか...！』
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あなたは、どれだけ私を泣かせる気？
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作者名：成瀬
| 作成日時：2017年12月13日 22時
