119.でも離れなくない。できれば近くにいたい…sideO ページ29
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でも離れたくない。
...できれば、Aちゃんの隣にいてAちゃんと結婚式挙げて
Aちゃんとの子供産んで、その子供の成長を二人だけで見て、
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...でもこの先の未来、Aちゃんの隣にいるのは
俺ではないほかのオトコ。
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それは、きっと間違いない。
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智「Aちゃん...」
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鈴香さんが立てた計画の中に入っていた名前。
櫻井A。
最初は無関心だった。...なのに、それがこんな結末を巻き起こすなんて
当時の俺に行っても信じなかっただろう。
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『...大野さん』
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その声が好きだった。
俺だけに見せてくれる笑顔が好きだった。
俺に向ける好意の目に見惚れた。
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でも、彼女が本当に幸せになりたい相手は
俺ではない。
二宮だ。
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近くにいる。
その優越感は確かに感じてた。
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でも、改めて二宮に会った時
すべては変わった。
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和也『...よりを戻そうって言いましたよ？』
智『はぁ？』
和也『当たり前でしょう、こっちだってAが欲しいんだから』
智『...それでAちゃんはどういう反応したの』
和也『さぁ。ビミョーなとこ』
智『...ビミョーって』
和也『まあそこは詳しく言えないよねーー』
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なんて嫌味っぽく言うこいつは、
自分よりも年下で、自分よりも束縛というか自分のモノにしたいという欲が強かったこと。
...だからまあ、子どもだということだ。
纏っている空気は大人の余裕なんてものあるけど、
それをひっくり返したら、ただの子供だ。
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その日は確か、Aちゃんが戻ってくるのを待っていた時
無理矢理電話番号を入れさせられて、無理矢理約束を取り付けられた時だ。
...一言話したい、なんて
なんだよ、ドラマかよ。
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和也『...Aはどうしてる』
智『なんでそれをおまえに話さなきゃいけねぇんだよ』
和也『元カレとして知るべきことだよ』
智『...元気。それだけ言っとく』
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でも、コイツが俺と同じで一番にAちゃんを思ってて
一番にAちゃんを大切にしてて
一番にAちゃんを好きなんだってことが
痛いほど伝わってきた。
それが、唯一の悔しいことなんだ。
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作者名：成瀬
| 作成日時：2017年12月13日 22時
