106.お互いがお互いを幸せにするからこそ生まれる幸せ ページ16
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『二宮から聞いたんです』
智『うん』
『…葵さんの本命彼氏って大野さんですか？』
智『…へっ？』
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話があります。と言って忙しい時間をわざわざ割いて話を聞いてくれた大野さん。
違うなら違うとはっきり言って構いません、と先に注意を言ったからなのか、
私の言葉を聞いて驚いたあとすぐに「そんなの二宮の嘘だろ」と低音の効かせた声で言った。
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『…嘘？』
智『どう考えてもそうだろって』
『…そうなんだ。良かった。』
智『…俺言ったよね。』
『…？』
智『アオイは俺にとってどうでもいい存在だよ。』
『…』
智『もはやアオイのせいでAちゃんとの関係が壊されたのも同然なんだ』
『…』
智『だから俺は、アオイと偶然出会ったとしても恋情を抱くことはない。はっきり言いきれる。』
『…っ』
智『だから、ね？安心して？』
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そうはっきり言われた時は思わず心臓…というか体全体が震えた。
体全体が色めき立った。
それくらい、私が大野さんに抱いている恋は大きなものってことなんだ。
同時に安堵の気持ちも襲った。
大野さんは私を一番に思っていてくれてる。
...カズは、カズは心のどこかで葵さんを好きな気持ちもあった。
別れたことは信じる。...でも、カズと寄りを戻すことは無い。...たぶん。
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智「ずっと、俺の隣にいてくれ」
「もちろんです」
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お互いがお互いを幸せにしているから、本当の幸せと呼べる。
カズとはなかった幸せを感じる、
...カズとは、単なるお遊びで彼氏と彼女っていう関係性をずっと維持していた感じで。
大野さんとは...、また、何かが違う。
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ぎゅ、っと抱きつくと「うわぁ」って言いながらもしっかりと抱き締めてくれる。
抱き抱えてくれる。しっかり受け止めてくれる。
華奢に見えて意外とある筋肉に、男らしさに
私はドキドキされっぱなし。
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智「泣いてんの？」笑
「...泣いてないです...ぅ」
智「泣いてんじゃん」笑
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大野さんは、いつまでもやさしかった。
それは、確かだった。
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智「んふふ」
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一緒に幸せになりたいのはあなた。
永遠にいたいと思えたのもあなた。
一生に一度の多大なる愛を築けたのもあなた。
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作者名：成瀬
| 作成日時：2017年12月13日 22時
