いつか海の見える部屋で 五 ページ23
坂「薄給の国家公務員としては、全く割りに合わない仕事でしたよ……」
織「つまり安吾は二重間諜ではなく、三重間諜だった、という訳か」
『……ミミックについて、教えてください』
坂「ジイドと織田作さんが会敵したという情報が入りました。ジイドの異能を見ましたか？」
織「ああ」
坂「ジイドは神出鬼没で、居場所を悟らせません。上はこの件を、完全にポートマフィアに投げる腹積もりです」
太「そりゃ随分と虫のいい話だね。けれどマフィアでもあの異能を突破するのは難しいよ。もちろん、1人の最下級構成員を除いて……だけど」
織「俺の異能も、奴の異能もほんの数秒が予見できるに過ぎない。結局のところ、勝敗は戦闘と射撃の技量にかかってくる」
坂「不安の要素は大きいでしょう。“異能の特異点”の問題もある」
『異能の……特異点？』
坂「ジイドに対して、異能力を使った時いつもと違うことが起きませんでしたか」
織「……ああ、起きた」
坂「複数の異能力が干渉し合うと、ごく稀に全く予想もしなかった方向に異能が暴走する……という現象が政府機関によって確認されています」
『……つまり、矛盾などがあれば特異点ができる……と？』
そう言えば、坂口さんは頷く
坂「今の話、本当はしてはいけない事になっています。僕がこうして会っていることも、上層部に知られたら大問題になります。当面姿を隠さなくては……」
と、坂口さんが言うとずっと黙っていた治くんが
太「おやおや、まるで自分がここから生きて出られるみたいな口振りだね」
冷えた声で言った
思わず治くんに目をやる
織「此処を戦場にする気か？」
安「僕のせいですね。僕が間違っていた。この場所だけでは、皆さんと立場越えて会えるような気が勝手にしていました」
太「…………安吾、私の気が変わらないうちに消えるんだ」
そう言えば坂口さんは目を少し開く
太「別に悲しんでるんじゃない。最初から判っていたことだ。安吾が特務課であろうとなかろうと失いたくないものは必ず失われる。求める価値のあるものは皆、手に入れた瞬間に失うことが約束される。苦い生を引き延ばしてまで追い求めるものなんて何も無い」
……失いたくないものは必ず失われる
なら、どうすればいいのか
安「太宰君、織田作さん、Aさん。いつか時代が変わって、特務課もマフィアも違う体質になり、我々がもっと自由な立場になったら、また此処で飲めますか？」
織「云うな安吾……それ以上云うな」
織田作さんがそう言った
なんでか
それは僕達がよく判ってる
そんな日は来ないからだ
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リュカ(プロフ) - 麗華三日月さん» 行ってらっしゃい！待ってますよ〜なんだか太宰さん達と一緒に行ってるみたいですね〜「今日は太宰がいないから仕事が進む」「国木田さん……言い過ぎです」探偵社はいつもより仕事が進んでますね〜 (2019年5月9日 14時) (
レス) id: 23cb7545a0 (このIDを非表示/違反報告)
麗華三日月 - これから行ってきます。帰ってきたら又お話して下さい！「リュカちゃん、ちょっと待っててあげてくれるかい？」「リュカ、頼むな。お前も無理すんなよ。」それでは！ (2019年5月9日 4時) (レス) id: c945dd784b (このIDを非表示/違反報告)
リュカ(プロフ) - 麗華三日月さん» おお〜奈良が一緒ですね〜ええだいぶん進んできました！回想が結構考えてたんですよ。黒の時代が終わった後と一期の主人公って雰囲気が一寸違うのでその理由……って感じの回想です！ (2019年5月8日 21時) (レス) id: 23cb7545a0 (このIDを非表示/違反報告)
麗華三日月 - 私は奈良、京都、大阪です！お話大分進んできましたね…姐さん、中也…あと、回想が何とも…続き楽しみだなぁ〜 (2019年5月8日 21時) (レス) id: c945dd784b (このIDを非表示/違反報告)
リュカ(プロフ) - 麗華三日月さん» いえいえ〜私は東大寺に行きますよ〜奈良です！セイレーンさんはどちらへ？ (2019年5月8日 17時) (レス) id: 23cb7545a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リュカ
| 作成日時：2019年5月1日 20時
