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火群命(ほむらのみこと)様、蓬莱島(よもぎがしま)をお持ちしました」

 開けられた襖の先にいたのは……鎧の女性。火群命(ほむらのみこと)様だった。

 驚いた。ずっと世斃悪(ぜべいあ)様へ奉仕をしてきていたから、てっきり世斃悪(ぜべいあ)様がいらっしゃると思っていたのだ。

 火群命(ほむらのみこと)様はこちらを見る。いや、違う。見ているのはこちらではなく(もえ)さんだ。私の隣にいる(もえ)さんは、見た事もないくらいの笑顔を浮かべていた。とても、とても美しい笑顔だ。

蓬莱島(よもぎがしま)よ、一つ問おう」

「はい、何でしょう?」

「お主は今、望んでここにおるのか?」

 火群命(ほむらのみこと)様の問いに(もえ)さんは答える。

 正しく至上の笑顔で。

「はい、もちろん!」

 火群命(ほむらのみこと)様は何も言わない。けれど、私は一瞬、ほんの一瞬だけ見た。

 火群命(ほむらのみこと)様の顔には、僅かな憐憫が浮かんでいた。目の前の(もえ)さんの事を哀れむような目で見ていた。

「なれば、何も言うまいて」

 (もえ)さんが火群命(ほむらのみこと)様のすぐ隣に行って、そして跪く。ちょうど火群命(ほむらのみこと)様の口元に首筋がゆくように。

 火群命(ほむらのみこと)様はその首筋を……口に含んで、そして口で千切った。千切ったそれを飲み込んで、また口で千切る。(もえ)さんの口からは、音がなる。

「あがっ……あ、ああ……これで、これでわたくしも……」

 火群命(ほむらのみこと)様の食べるは静かだった。世斃悪(ぜべいあ)様みたいなぐちゃぐちゃという音はしない。静けさの中に、(もえ)さんのたてる音だけが響いていた。

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ミクミキ(プロフ) - ぱるむのお部屋さん» ありがとうございます!励みになります (6月30日 21時) (レス) id: bce403cc8a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむのお部屋(プロフ) - たまうさかわいい〜イラストもとてもかわいくて素敵ですね!これからも頑張ってください! (6月30日 20時) (レス) id: 0955046302 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年6月27日 21時

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