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辿り着いた部屋には、小さな台のようなものがたくさんと、丸い板みたいなものが置いてあった。

「これは膳、これは皿。膳の上に皿を置いて、その皿にたまうさを乗せて、尊い方々へ差し出すのよ」

 どうやら台は膳、丸い板は皿というらしい。私は連れてきたたまうさを皿に乗せて、その皿を膳に乗せた。たまうさは楽しそうに鳴いて、皿の上で踊っている。

「部屋へ入る時は頭を下げて、出る時も頭を下げるの。まあ、やってみましょうか」

 さあ、持っていくわよ。と、阿月(あづき)様はその部屋を出て廊下を歩く。私達の住んでいる部屋のある方向とはまた別の方向だ。そっちの方は、私達の住んでいる方向よりも更に美しい。そして……匂いが強くなっていく。素肌に何かが纏わりついてくるような感覚も強くなる。

 緊張していると、一つの扉の前で阿月(あづき)様は止まる。

 扉が開くと、中からぶわりと風が吹いた。いや、それは風ではない。でもどう表現すれば良いのだろうか、風に似ているが、風ではない。強い圧力のような、異質な力のようなものが溢れ出ているようだった。それと、匂いも強かった。

世斃悪(ぜべいあ)様、大変お待たせいたしました」

 阿月(あづき)様と(もえ)さんは深々と頭を下げる。私もそれに見習って、部屋の中にいたそれに頭を下げた。

 それは……私達と似たような、けれど違う姿をしていた。耳がおかしい。毛が生えてないし、位置も顔の横についている。目も……やたらと多い。背中からは白くて大きな毛の塊が生えている。服を着ているけれど、見た事もないような形状だった。

「あら、ご苦労様。で、それがたまうさ?」

「たま?」

 世斃悪(ぜべいあ)様と呼ばれたその何かは、私を……いや、私の持っている膳の皿のたまうさを指差す。たまうさは不思議そうだった。

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ミクミキ(プロフ) - ぱるむのお部屋さん» ありがとうございます!励みになります (6月30日 21時) (レス) id: bce403cc8a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむのお部屋(プロフ) - たまうさかわいい〜イラストもとてもかわいくて素敵ですね!これからも頑張ってください! (6月30日 20時) (レス) id: 0955046302 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年6月27日 21時

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