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八野「 … それ他の人にもやってんの? 」
目の前の彼女にそう尋ねると、何かを考えるように顎を触る。
貴方「 あ、えー、青柳さんと黄桜さんは無意識にしてたかも … ? 」
八野「 よりによってアイツら … !! 」
独占欲が爆発する中、Aは能天気に首を傾げる。
八野「 ほ、他の … 他の人に撫でるのは … 妬く。 」
貴方「 え?発火するんですか?そんな勢いよく擦らないよ? 」
ゔッわあ゙!こういうのが無自覚天然なのかも知れない。いや昔から疎い所やドジな所、こうして可愛らしい所も … 待て待て、何を言ってるんだ。
八野「 ヤキモチをやくってこと … 俺だけの特権にさせて、ね。 」
相変わらずの束縛具合だが、そんな事気にせず ハイ! と返事をする彼女にデレデレしてしまう。いかん、口元が綻んで仕事に戻れねえ。
八野「 ッ、はあ … まあそろそろ休憩も終わるしお茶飲み干したら出ようか。 」
手元の湯呑みは3センチ程の緑茶が入れられており、既に温い飲み物と化している。其れをくっと一気に口に含み、ゆっくり机上に置いた。
貴方「 あっ、先輩目元にゴミついてますよ。 」
八野「 あ?マジか 」
細縁眼鏡を外し、目元を摩ってみる。因みにPCと向き合うことが多いため、仕事場ではブルーライトカットの眼鏡を付けている。まあどうでもいいが。
貴方「 あはは、全然取れないですね。瞑っててください、取りますよ。 」
八野「 … へ?あ、ウン。 」
Aはわざわざ席から立ち上がり、少し前のめりの体制に変える。
きゅっと目を瞑り、彼女の細くすらっとした指が俺の目元に触れる。
恥ずかしい云々より、距離が近いあまり鼓動は異常に速まってるし、何よりも変な気持ちまで芽生えつつある。
貴方「 はい、取れたよ。」
目を開くと、にこやかに笑う彼女が視界に映る。なんで俺の彼女こんな可愛いんだろう、とかバカップルみたいな感想を抱く。
無意識に相手の腕を軽く引っ張れば、簡単にも俺の腕の中へ入り込む。
貴方「 は、え?ど、どうしたの? 」
八野「 … … … キスする流れでしょ、それ 」
貴方「 なっ、ば、おバカじゃないですか、職場でそんなに盛るなんて、もう 」
八野「 ゔっ … 」
Aはくすっとあざとく笑えば、 お泊まりする時は好き放題ですからね、今はダメです。 と。
本気で禁煙を決心した瞬間だった。
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ぺんぎん - 終わり方めちゃ好き…すごく面白かったです! (2021年3月8日 14時) (レス) id: 223a7324a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:皇 | 作成日時:2019年2月2日 2時