百六十九話 ページ34
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治癒魔法を使って少しずつ、少しずつ治していった。すると、容体がよくなってきたので氷を溶かした。
「...後はここのお医者さんに任せる。これでサーが助かるかどうかは知らない。サーの頑張り次第」
サーの腕や内臓などはちゃんと治していない。だから腕は片方ないし内臓も完璧には治ったわけではない。
「どうして...何で、そこまでしたのにちゃんと治さないの？」
「...私にとって都合が悪いから」
そう言うと私の頬に痛みがはしった。
「緑谷くん...！！」
通形先輩が緑谷を止めようとする声は、もう私には届かない。
「何で...！何でナイトアイを助けようとしないんだよ！君なら助けられるんだろ！？こんなのナイトアイを見殺しにしているようなものじゃないか！」
「...そうだね」
緑谷に頬を叩かれた衝撃が頭にガンガン響いてきて更に頭が痛くなってきた。
「君は僕なんかよりずっとナイトアイといた！なのに何でナイトアイのプロヒーローとしての道を閉ざすような真似するんだよ...！！」
緑谷にとっては師の相棒の人生を閉ざされたようなものだ。怒るのも無理はない。
「うん、ごめんね」
申し訳ないけど、お兄ちゃんや君達を助けるためには原作との差をできるだけなくしておきたい。
だから、サーにはヒーローをやめてもらう。我ながら最低な考えだと思う。
でも確実に守りたいんだ。その犠牲に頬を叩かれて、拒絶されるのも仕方ない。
「サーには本当に悪いことをしたと思ってる。もちろん怪我が治ったあとも不便なことがあったら全面的にサポートするよ。そのくらいの覚悟はある」
「ッ！だとしても！ナイトアイの人生を狂わせたことに変わりはないじゃないか！」
「それもそうだね。本当にごめんね。謝っても意味ないけど」
...ああ、頭が痛い。
「じゃあ、私はもう行くよ。サーが起きたら本当にごめんなさいって伝えておいて」
そうして去っていく私を見る目は絶対零度よりも冷たい。唯一人を除いてだけど。
...ああ、心が痛い。
でも、仕方ないよね。私が一番悪いんだから、これくらい受け入れないと。
熱で体がフラフラするし頭がガンガン響いてるけど、私は自分の病室に戻るまでそれを一切悟られないようにした。
こんなところでへばるのはカッコ悪いからね。
病室のベットに入った私はあとのことなど考えずに眠りにつくことにした。
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桜 - りーたん☆さん» ありがとうございます！！面白いと言ってもらえてめっちゃ嬉しいです！！体調の心配もしてくれててとても励みになります！頑張りますね！ (2020年8月20日 20時) (
レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
りーたん☆ - 続編おめでとう！！！とても面白いです^_^体調に気をつけて、頑張ってください (2020年8月20日 16時) (レス) id: 6deecb8d9e (このIDを非表示/違反報告)
桜 - シバさん» コメントありがとうございます！！シバさんが安眠を確保できているならよかったです！！←←←更新頑張りますね！！ (2020年8月15日 17時) (レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
シバ - 続編おめでとうございます！楽しみすぎて夜しか眠れません！←←更新頑張ってください！ (2020年8月14日 20時) (レス) id: 344258cf85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜 | 作成日時：2020年8月13日 18時
