story14*目撃者はおばけ ページ17
※ガチめなホラーです。観覧注意
______暗闇の中。
その建物には何人かの黒服の男達が集まっていた。
「これで取引は成立だな。」
「嗚呼、次もよろしく頼みたいのだが。」
「勿論。」
中心で話すふたりのそれぞれの背後には、銃で武装した大男が直立していた。
重苦しい雰囲気を醸し出し、正に『犯罪現場』だ。
_____そんな時。
彼ら以外に誰も居ないはずの、深夜の古びた館。
しかし、小さな物音が聞こえたのを、その場にいた全員が耳に入れた。
これは、ポートマフィアの非合法の取引。
もしも目撃者が出てしまったのなら、必ず殺して口を塞がなければならない。
大男たちは、物音がした方に向けて迷うことなく発砲した。
機関銃が大きな音を立てて、煙を立てた。
暫くして音が鳴り止むと、ふたりは何事もなかったかのように取引を再開させる。
…………………が。
“ふふふふ、ふ”
何処かから聞こえてくるすすり笑いのような声を聞き逃すことなどなかった。
「誰だ!」
ポートマフィアの取引相手の男が威嚇する。
しかし、その威勢はすぐに止んだ。声が聞こえてきた方向に目をやり、男は、
________息を飲んだ。
“おにーさん、あそぼ?”
脳に直接響くように、ドロドロとした声。
そして、小さな子供の姿が。あるはずの無いその姿が、しっかりと瞳に写った。
「ひっ!?」
男達が、一瞬にして恐怖のどん底に突き落とされる。
“ソレ”は、まるで幻影のようにいくつにも分かれ、そしてひとつになり、1歩ずつ近づいてきた。
「く、くっ、来るな!!」
怯えていた男の1人が、発砲した。その銃弾は、確かに子供の頭を突き抜けた。
被弾の衝撃で大きく後に反る子供。
しかし次の瞬間、子供は発砲した男に抱きついていた。
「…………………え………?」
「おにーさん………」
今度は、誰の耳にもはっきりと、声が聞こえた。
抱きついてきた子供は、勢いよく顔を上げ、そして泣いていた。
その頭にはぽっかりと穴が空き、そこからダボダボと血が滝のように流れ出している。
その子供は、云った。
「イタいヨ、おニーサン、なにスルの!!!」
その瞬間。
森の奥に佇む、一戸建ての大きな古びた館。
そこに、いくつもの男の悲鳴が上がったのだった。
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鈴蘭(プロフ) - ウナさん» 私も書いててひえええってなってます笑(?) (2019年4月30日 12時) (レス) id: 2e99d5c18a (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - みそしる大臣さん» そんなドキドキをお届けできているなんて嬉しい限りです(^^) (2019年4月30日 12時) (レス) id: 2e99d5c18a (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - SAKA0829093さん» ありがとうございます!ダラダラ更新で本当すみません… (2019年4月30日 12時) (レス) id: 2e99d5c18a (このIDを非表示/違反報告)
ウナ - もうヤバイですマジでもうヤバイですよ!!!!ひええええってなります(?) (2019年4月3日 19時) (レス) id: 0bc8f10023 (このIDを非表示/違反報告)
みそしる大臣 - 夢主より僕の方が早くキュン死にしそうだ…心臓が持たない! (2019年3月30日 23時) (レス) id: 487407bef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年5月25日 1時