story15*冷静な帽子さん ページ18
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悲鳴を上げ、銃を乱射する人間。
全身を震わせ、立ち尽くす人間。
_______その中で、“彼”だけは冷静だった。
「おい手前ら!そンなのにいちいちビビってんじゃねぇ!!」
ポートマフィアの代表として取引を行っていた彼____中原中也は、部下たちにそう叫んだ。
心霊を信じていない彼は、冷静に、まず最初に異能を疑った。
そして、重力を子供の幽霊に掛けた。
……………が、
「っ、効かねぇか…………」
潰れるどころか、膝をつくこともなかった。
ならば、方法はひとつだ。中也は全身の力を抜き、そして神経を研ぎ澄ませた。
そして、周囲の気配を感じ取る。
「………………そこか。」
その視線の先には、何も無かった。が、彼は確かに人の気配を感じていたのだ。
しかし、その時すでに。
「ひ、いやぁァァァァ!!」
「やめろぉ来るな!!!」
「なッ!?」
幽霊は、どんどん増殖していた。
逃げ惑う部下たち。
しかしそこで中也は、とあることに疑問を抱く。
この幽霊、危害を加えてこない。
この手のヤツは殺されたり、連れ去られたりするのが普通だが、そんな事にはならなかった。
「3秒以内に出てこい。そうすれば言い訳くらいは聞いてやるよ。」
もう一度気配のするほうへ視線を向け、中也はそう云った。
赤黒い光を放ち、異能力を発動する。
………………その時。
「ちょ、何やってるんですか!」
「仕方ないでしょ。相手が相手だし。」
つい先程まで誰もいなかった空間。そこに、瞬きする間に2人の人影が現れた。
その人物を見て、彼は目を見開いた。
「は……………太宰!?」
その声とともに、驚き恐怖していた取引人、そしてその部下たちも、顔を上げた。
そこにはすでに、沢山の幽霊の姿などない。
代わりにあったのは……………
「ちょっと太宰さん、途中まで完璧だったのに!」
「このまま作戦を続けていたら君、潰れて死んでいたのだよ?」
………………ポートマフィアのかつての幹部と、謎の女の姿だった。
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鈴蘭(プロフ) - ウナさん» 私も書いててひえええってなってます笑(?) (2019年4月30日 12時) (レス) id: 2e99d5c18a (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - みそしる大臣さん» そんなドキドキをお届けできているなんて嬉しい限りです(^^) (2019年4月30日 12時) (レス) id: 2e99d5c18a (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - SAKA0829093さん» ありがとうございます!ダラダラ更新で本当すみません… (2019年4月30日 12時) (レス) id: 2e99d5c18a (このIDを非表示/違反報告)
ウナ - もうヤバイですマジでもうヤバイですよ!!!!ひええええってなります(?) (2019年4月3日 19時) (レス) id: 0bc8f10023 (このIDを非表示/違反報告)
みそしる大臣 - 夢主より僕の方が早くキュン死にしそうだ…心臓が持たない! (2019年3月30日 23時) (レス) id: 487407bef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年5月25日 1時