story16*最高の作戦 ページ19
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時間は少しさかのぼり_______、
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「で、作戦ってどんなのなの?」
時刻は午後十時を周り、ついに取引相手が現れそうな緊張感が出てきた。
そんな中、まだ心配そうな太宰さんが聞いてくる。
その質問に、私は自信たっぷりに(けれども小声で)説明し始めた。
「太宰さんは私の異能力をご存知ですか?」
「………っ、」
この一言で、太宰さんは何故か焦り出した。
一瞬わけがわからずに戸惑ったが、すぐに普段の太宰さんに戻ったので、そのまま続ける。
「確か……精神操作系の、」
「はい。『白い蝶』といいます。この異能力は相手に幻影を見せる能力で、本来ならば恐ろしい力なんですが………」
この能力は、使い方を間違えれば人殺しの道具にもなってしまう。
しかし、それは問題ない。
「幸いにも、私はこの力を使いこなせるので!
これで取引をしている悪者にお化けの幻影を見せれば、怖がって逃げちゃうんじゃないですか!?」
私は、いたずらっ子のように笑った。そんな私を見て、なぜか頬を染めている太宰さん。
そんなのは気にせず、私は作戦を細かく説明した。
「名付けて、『おばけで悪者退治作戦』です!!」
「わぁ、安いネーミング。」
最後の太宰さんの言葉は気のせいな気がする。
兎に角、自信満々すぎる私は作戦実行に対するやる気に満ち溢れ過ぎていた。
なので、太宰さんのなお心配そうな表情に気づかなかった。
「ポートマフィアが幽霊ごときで怯え去るとは思えないけどねぇ……」
「問題ありません。かなりリアルなでお化けで攻めますから!」
「そもそも、バレたら確実に殺されちゃうよ?」
「じゃあ他に方法はあるんですか?」
最後の言葉で、太宰さんは口を噤んでしまった。
それを見て、ニヤリと口角を上げる私。
「決まりですね……?」
「……………はぁ、わかったよ。君の身が本当に危険になったら、すぐに止めるからね。」
私は、対人ではなく対空間で異能力を発動させた。
つまり、私が異能力を発動させた空間に入った瞬間に幻影が始まる仕組み。
その少し後、とある人物がやって来た。
「あれ………?あの人、」
「ま、まさか、マフィアの取引人って………!?」
そこにやって来たのは、帽子の小柄な人だった。
その瞬間、太宰さんの瞳が輝いたのを、私が見逃すことはなかった。
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鈴蘭(プロフ) - ウナさん» 私も書いててひえええってなってます笑(?) (2019年4月30日 12時) (レス) id: 2e99d5c18a (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - みそしる大臣さん» そんなドキドキをお届けできているなんて嬉しい限りです(^^) (2019年4月30日 12時) (レス) id: 2e99d5c18a (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - SAKA0829093さん» ありがとうございます!ダラダラ更新で本当すみません… (2019年4月30日 12時) (レス) id: 2e99d5c18a (このIDを非表示/違反報告)
ウナ - もうヤバイですマジでもうヤバイですよ!!!!ひええええってなります(?) (2019年4月3日 19時) (レス) id: 0bc8f10023 (このIDを非表示/違反報告)
みそしる大臣 - 夢主より僕の方が早くキュン死にしそうだ…心臓が持たない! (2019年3月30日 23時) (レス) id: 487407bef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年5月25日 1時