story13*私におまかせ! ページ16
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色々な憶測をしたけど、結論から云うとこの館は依頼主さんが所有する土地で、昔は豪華な別荘だったそうだ。
奥まで進むと見えてきた、ひとつだけ違和感満載の、綺麗な扉。
その部屋だけ人が住めるように改造されていた。
依頼主さんは此処で悪い人の怪しい取引が行われているのを目撃し、相談したというわけだ。
「それは多分ポートマフィアの取引でしょう。」
「ポートマフィア……やはり、そうですか。」
「大方、此処を所有者のいない建物だと勘違いした奴が取引現場に使用したんでしょうね。昼間でも薄暗く、奥の深いこの建物は取引にはピッタリだ。」
私が口を出すことなど到底できない。
仮定のはずなのに自信たっぷりに断言している太宰さんに、さすが武装探偵社だなと感じる。
太宰さんの一連の推理を聞き、依頼主さんは困ったように眉を下げた。
「この建物を手放すわけにはいかないんです。どうか、ポートマフィアが近付かなくする方法を見つけたいのですが。」
その言葉に、考え込む太宰さん。
ポートマフィアといえば、この横浜の裏社会を牛耳る巨大な犯罪組織。
いくら太宰さんといえど、簡単に追い出すことは難しいのかな……?
そんなことを考えていると、私の頭に、ぱっと名案が浮かんだ。
「太宰さん、マフィアの連中を追い出すの、私に任せてくれませんか!!」
「………え?」
突如大声を上げた私に……いや、『私に任せてくれ』とはっきり云ったことに驚いたのか、太宰さんは目を丸くした。
そしてすぐに、心配そうな顔になる。
「できるのかい……?
相手は横浜の暗部そのもの。一歩間違えれば殺されかねないのだよ?」
「大丈夫です!」
やる気に満ち溢れている私。
止められないと判断したのか、太宰さんはため息をついて苦笑いをする。
「分かった。君に任せよう。ただし、危なくなったらすぐに私と交代ね?」
「はい、お任せ下さい!!」
自信たっぷりに頷いた私。
太宰さんはすぐに、次の取引が行われそうな時間帯を依頼主さんから聞いた。
その返答は、予想外のもの。
「実は、恐らく今日の夜中でして………」
どうやら昨日の夜中にあったらしく、その時に『また明日宜しく頼む』という言葉を聞いたそう。
だから急いで探偵社に依頼したのだとか。
太宰さんは私の方を向き、目で『大丈夫?』と云っている。
それに私は、にっこり笑って答えたのだった。
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鈴蘭(プロフ) - ウナさん» 私も書いててひえええってなってます笑(?) (2019年4月30日 12時) (レス) id: 2e99d5c18a (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - みそしる大臣さん» そんなドキドキをお届けできているなんて嬉しい限りです(^^) (2019年4月30日 12時) (レス) id: 2e99d5c18a (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - SAKA0829093さん» ありがとうございます!ダラダラ更新で本当すみません… (2019年4月30日 12時) (レス) id: 2e99d5c18a (このIDを非表示/違反報告)
ウナ - もうヤバイですマジでもうヤバイですよ!!!!ひええええってなります(?) (2019年4月3日 19時) (レス) id: 0bc8f10023 (このIDを非表示/違反報告)
みそしる大臣 - 夢主より僕の方が早くキュン死にしそうだ…心臓が持たない! (2019年3月30日 23時) (レス) id: 487407bef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年5月25日 1時