完璧ダーリンさん。【 センラ 】

計り知れないコミュ力 ページ22

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｢星野さんは、センラさんのこと好きなのかな？｣

思い切ってそう聞いてみれば、後輩ちゃんは勢いよく答える。

｢好きですよ！ あれは絶対狙ってますよ！｣

うっ！！！！！！
Aは5000のダメージを受けた。脳内でRPGが始まる。今すぐ冒険の書を破り捨てたい。

｢俺もそう思います。星野と全然話したことねぇのに『Aさんがセンラさんと付き合ってるか聞いて欲しい！』てLINE来たんですよ？｣

｢だよねぇ、楓さんとも話してたんだけどやっぱ好きだよね｣

本人から聞いていないから分からないが、ほぼ確定だろう。

｢折原先輩は家では変わりないんですかー？｣

｢今まで通りだよ。でも露骨な程に星野さんの話をしないかも｣


センラさんはよく職場で起きた話をする。吉田さんとのお話が多いが、今目の前でサラダを食べてる後輩ちゃんの話をすることだってあるし、その隣でスムージーを飲む後輩ちゃんの話だってたまにする。男女関係なく営業課の皆さんのお話はよくされるのだ。でも星野さんの話はしたことが無い。

きっと気を使っているのだろう。私が不安がらないように、心配しないように。この通り逆に不安になっちゃってるんですけどね……。


｢Aさん、金髪先輩と同棲してんスか！？｣

｢えーほけんしょくん知らなかったの〜？｣

｢有名な話なのにー｣

｢付き合ってるって知ったの今日の朝だしそりゃあ知りませんよ！｣

ワイワイ話す後輩たちに癒されながらセンラさんの美味しいお弁当を食べる。癒しの空間でしかない。


｢A｣

後ろから名前を呼ばれる。私の大好きな声だ。

｢センラさん！ 外回りお疲れ様です｣

嬉しい反面、星野さんの話を聞かれていなかったのかと内心ドキドキだ。

｢キャー！ 噂をすればですね！｣

｢俺の話してたん〜？ まあええわこいつ借りるな｣

｢どうぞどうぞ！｣

｢あ！ 君噂のほけんしょくんや！ 入社1日目で保険証忘れた子ってAから聞いた｣

｢もう！ Aさんこれ以上噂を広げないで下さいよ！｣

初対面のほけんしょくんに気軽に声掛けてもう既に仲良い雰囲気出てるの凄すぎます。ふたりともコミュ力高いもんね。


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