テスト返し ページ32
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「じゃあ、テスト返していきますね〜、朝木さん」
出席番号順に、人がぞろぞろと立っていく。出席番号早い組の俺も、席を立った。
「うらたさんがんばって〜」
「おーう」
志麻くんにひらひらと手を振って、「浦田くんー」と呼ばれたその声に応えるように手を伸ばす。
「こんだけ取れてたら十分ですよ」
『平均点 72』『点数 75』……ぎっりぎり。
「今回も平均高くね?」
「いや……ちゃんとみんなの分合計してますよ。得点には個人差があります」
先生は変に言葉を濁して、江口くんーと次の人の名前を呼ぶ先生。
「ずっる」
お前何点〜と友達に声をかけられ、それに応えて喋ってから席に戻れば、もう志麻くんは貰っていた。
「うらたさんー、今回も鬼畜点数やったなあ、おれ平均点ぴったり。わりと賢いねんなあ俺」
何故か自惚れているこいつは、普通に賢かった。普段悪さして見る時見る時ゲームしていて、いつこいつは勉強しているのだろうか。
松坂さん、と呼ばれてあいつは席を外した。
「俺坂田んところ行くけど、うらたさんは?」
「ちょっとやり直しする。後で行くね」
そう言えば、りょーかいと言いながら席を外した志麻くん。
……やり直しなんかしない。ただ、Aを待っただけ。我ながら恥ずかしいことである。
「ああ!!!まじか!!」
教卓の前で彼女は叫ぶ。もちろん、高嶺の花、人気者なあいつはすぐにどうしたの!と数人の人に話しかけられている。
それの1人1人に応えて行ってから、こちらに駆け寄ってきて、
「うらたくん!!私74点!!!」
花が咲いたように笑顔で告げた。
「すっげえ。俺と1点しか変わんない……。A、平均越えてよかったね!」
心からの言葉だ。彼女も心から笑っている。
「今日の放課後、飯食いに行かね?ご褒美、でしょ?」
こんなことはそれなりのイケメンが言わないとかっこよくないし、かなり恥ずかしかった。
あーあ、俺もっとイケメンになりたかったなー なんて。
「やったね、ご褒美」
そう、ぽつりと呟いて 小さく微笑んだ。
……今日、こいつに全部全部、話したい。
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あと5話もしないうちに完結予定です……!!
いやあ、長かったです!(早い)
8月までに完結予定と言っておきながら終わるか微妙ですすみませんすみません
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まりあ リス_ラ - 好きです…めっさ感動しました! (2019年4月3日 22時) (レス) id: 4cddf3a5c1 (このIDを非表示/違反報告)
愛香(プロフ) - すずらんさんが思い描いてたうらさんが私の好きなうらさんとすごく合っていて笑笑 とても面白いです!(* ̄∇ ̄*) (2019年1月9日 23時) (レス) id: 02509c761b (このIDを非表示/違反報告)
弓乃 - 遅れてすみません!完結おめでとうございますー!!新作が出来たらまた見にきますね!愛してるが言えない がいいなぁ(小声 (2018年8月8日 15時) (レス) id: 37f466ffe8 (このIDを非表示/違反報告)
すずらん(プロフ) - みなみ*さん» ありがとうございます!!!密かに!いやあ嬉しいです!! (2018年8月2日 10時) (レス) id: f1689d0ab3 (このIDを非表示/違反報告)
すずらん(プロフ) - しらすもちもちさん» ありがとうございますー!! 続編は難しいですが、ページが少し余っているので番外編として話を書くことは可能ですよ!! (2018年8月2日 10時) (レス) id: f1689d0ab3 (このIDを非表示/違反報告)
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