特 別 扱 い 【 うらたぬき 】

呼び出し ページ28

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掃除が終わり、ホームルームも終わり、教室から人がだんだんと減っていく。



「なんとなく昨日はしませんとうらさかでバラバラに帰ったけど今日は4人で帰ろなあ！！」


「それ賛成」



昨日俺が相談したからバラバラになったのに、『なんとなく』と言葉を濁して俺を庇う坂田は、変なところで空気が読めている気がする。



賛成 と言った志麻くんは俺が坂田に声をかけたとき、気を使って「俺センラと2人で帰るわ」と言ってくれた。



……こいつらなりの優しさ。本当に優しい奴らだ。




「うらたさん！ちょっとだけいいかな？」




ひょこっと扉から顔だけを覗かせたのはまふだった。
……そう、まふだった。



坂田が心配そうな顔をして、こちらを見る。


俺は大丈夫。そんな気持ちを込めて坂田の足を軽く蹴る。そうすればぱっと笑い、蹴り返してくる。



事情を知っているのは坂田と、……これは完全な俺の勘なんだけど、センラはAから聞いているだろう。確信は無いけど。




今日、授業中志麻くんと話していたときのあいつが怪しかったのと、今センラが分かりにくいが顔を歪めた。本当に分かりにくいので、きっと俺らくらい仲良くならないと分からないだろう。




「おっけえー、今行く〜……お前ら、今までの会話ぶっ壊すけど先3人で帰っといて」




4人で帰ろ、なんて盛り上がっていたのに。俺も楽しみにしていたし。まあ、恥ずかしいので絶対に言わないけど。



「なに言ってんのうらたん。俺らここで待ってるって。朝までかかっても全然待つ」


「俺は夜の9時超えたら帰るけどなぁ」


「お前ムード壊すなや！」


「俺らにムードとかいらんわ」


「んん〜確かに」


「おまっ、そこで折れたらあかんやろ！最後まで貫き通せや！」


……訳せば、待っていてくれるってことだな。突然始めたコントを止めるヤツはいないので、俺が止めてやろうじゃないか。



「お前ら、ありがとう」



ほら、皆静まった。





「待ってるで」




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