特 別 扱 い 【 うらたぬき 】

かっこ悪いなやっぱ ページ12

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あんな顔されたら、助けるしかないじゃん。






いつもはむかつくやつだし、違う女子だったらこんなこともしない。






うらたくん！と笑いながらちゃかすこいつの顔が脳裏に浮かび、今の顔よりもその顔の方がましだわ。なんて考える。






とりあえず、調子が狂うし俺が焦るから、松坂には笑顔でいてほしいんだ。






「なにが、まかせて だよ〜。お前小さいし、俺引く気無いし。なに言っちゃってんの？」




そう笑うチャラ男を俺は





ぶった。




人を殴るという行為は普段からあまり好んではいない。殴る方も殴らせる方も痛い。2人とも損だから。







でも、そんなこと考えることすら出来なかったんだ。それほど必死だったんだ。




「お前なあ……！！」



チャラ男ゴミ野郎が立ち上がったところで、俺の頭で警報が鳴り始める。
こんな大柄なゴミ(?)に勝てるわけないだろ と。





「やべっ。せんせえー！！！！！！！殴られるー！！！！！！」






「うわ！！！！おい先生はなしだろ！！うわ！！先生来てんじゃんこっち！！」






そう言いながら宿の方へと逃げるように走っていくあいつ。






「……いや、俺の助け方かっこ悪すぎじゃね？」






「うらたくんらしくて、いいと思うよ私は」






2人きりになったこの場所で松坂はぎこちなく笑った。





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