肉食系×伍拾陸 ページ19
「ん〜、おはよ。せんせー」
毛布の擦り合わせられる音と、小さな欠伸の声
ゆっくりと起き上がったAに軽く「よく寝てたな」と返した家入は、飲んでいた珈琲の入っているマグカップを置き、Aに近づく
「少しの毒と多量出血、それに心因性が少し」
「たりょう…しんいん…?まぁ!よくわかんないけど取り敢えずありがとう!!なんかね、倒れる前より体が軽くなった気がする!!」
ぶんぶんと腕を回すA
家入はバカかこいつと息をつく
「当たり前だろ。そうしたんだから」
「いえいりせんせーすっごーい!」
「はいはい」
ひらひらと手を振って適当な家入は、話す事はないと言わんばかりに飲みかけの珈琲に手をつける
そんな冗談冷たい態度に頬をふくらませたAの指元に、かさりと何かが触れた
「ん?」
報告書の代わりのように置いてあるのは、一通の、ノートの恥を破ったような小さな置き手紙
”起きたら俺の部屋に来てくれ”
「ゆーじの字?」
「よくわかんな。行ってやれ」
「わかった〜!」
中履きを履いて、元気よく礼と共に医務室から飛び出ていくA。
またその後ろ姿を見送った家入は、煙草に火をつける
揺れる煙に向けて、呟いた
「出てく姿も一緒。筆痕で分かる信頼関係」
煙草を咥えて、両手の小指同士を絡める家入。
それを解いて、片手で煙草を取って、灰皿に灰を落とす
『アイツらなら大丈夫だろ。』
家入の声に出そうとした言葉が、煙草で遮られた
.
葛葉Aは、未知である。
素性を聞かれると、彼は決まってこう応えた
《そこら辺はゆーじに聞いて!!》
切っても切れないそんな関係が、心地よくて、いつも通り。
.
虎杖悠仁は、阿呆である。
貶しているのも含んでいるが、単刀直入に言って阿呆である
けど彼は、それでいいだろ?と歯を見せて笑う
《Aが居ればなんでもできる!!》
こんな信頼関係があってたまるか。否、あるのだ
.
摩訶不思議なふたり。血縁関係もない赤の他人の信頼関係とは思えない、名のない関係
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亜麻葦(プロフ) - 笹かまさん» 祝ってくださるだけ凄く嬉しいです…!ありがとうございます!!更新頑張ります!(涙) (2021年1月12日 8時) (レス) id: cfeb7c9eca (このIDを非表示/違反報告)
笹かま(プロフ) - 1日…過ぎてしまった……。申し訳ないです(;-;)えっと、誕生日と第2部突入…おめでとうございます!これからも更新、無理のないようお体に気を付けてください! (2021年1月12日 7時) (レス) id: 355c7a539d (このIDを非表示/違反報告)
亜麻葦(プロフ) - りあさん» ありがとうございます!うわわ!嬉しいです!今後ともご贔屓に笑 (2021年1月11日 17時) (レス) id: cfeb7c9eca (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - おめでとうございます!!いつもめっちゃ楽しく読ませてもらってます。これからも更新頑張ってください(*^^*) (2021年1月11日 17時) (レス) id: a466be600e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜麻葦 | 作成日時:2021年1月9日 18時