ゲームオタクがまたトリップしたら普通になってた １

電車にて ページ43

「それに彼は……。悔しいですけど大人っぽくて、結構大胆で僕よりもずっと強いですし、僕とは違ったおとこまえなかっこよさがありますけど！」

待って、ナチュラルに自分もかっこいいって言ったぞ。まぁ、それはそうなんだけども……。

「僕だってAさんを抱きしめたり、沢山キスしたいんです！！」

……なんだか、いつの間にか暴露会話になってない？

「つまり、総合的に言うと……リュカ目線で言うと、イチャイチャしてて羨ましい……って事？」

「そうです！！」

私としてはイチャイチャしてる気は一切ないんだけど……むしろ一方的な感じで。

「じゃあしてみる？」

ちょっと冗談でそう言ってみると、リュカは顔を熟れた林檎のように真っ赤にする。

……おい、マジかよ(素)

からかわないでくださいって言うのかと思ったら、この反応。

男の子だな……。

つい軽いノリで言っちゃったし、しきかんどのにされすぎたせいかキスへの意識がかなり変わったけども……これからは軽はずみに言わないようにしないとな。

「冗談、じゃあ行こうか」

駅に着いたら切符を買って、私とリュカは揺れる電車の中……私は少しナツルの事を考えていた。

リュカは服装の関係もあって座ってもらい、私はリュカの前に立ってつり革を掴んでいた。というのも、リュカは肌が出る格好の半袖半ズボン。そして金髪碧眼の美少年、今居る場所は変態の国とまで呼ばれる日本だ。

変態野郎が多く出没する電車内で、こんな美少年が素足を出して立ってみてよ。間違いなくお触りしようとする、腐った大人が出てくる。

「……あの、ずっと立ってるの疲れますよね？ 変わりますよ？」

「危ないからダメ、色々な意味で」

「どういう意味なんですか、それ」

そう聞かれた為、小さな声で説明する為に顔を近づけるとリュカの顔が赤くなる。

私なんかに緊張してくれてるんだな……。

「痴漢、出るから。リュカみたいにおとこまえだと、男の子でも肌出てるだけで被害出るよ」

「えっ？！ なら、尚更Aさんは座った方がいいですよ！ 女の子ですし、その……か、可愛い……ので」

そう言い、更に顔を赤くさせるリュカ。

控えめに言って、天使では？

それにさっきから周りの乗車してる女の子達、リュカをチラチラ見てる子も居ればガン見してる子も居る。

けど、やっぱりMOTHERは同じくらいの世代の子には知名度が低いから、知ってるような感じじゃ無いなぁ……。

ちょっとそういう意味では残念な思いをした。

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