ゲームオタクがまたトリップしたら普通になってた １

思い出 ページ39

『Aさんは、本当にミツキさんの事が好きなんですね』

『……私にとって唯一の家族だしね』

『そろそろ、家に帰らないと……家で家族が待っていますから』

『じゃあ、また明日ね』

今日、久しぶりにミツキの話を沢山したな。

そう思いながら、私はリュカと話した事を思い出していた。

思い出と思い出が思い出し合って、思い出になっていく。

本当にいいことば、だな。糸井さんってやっぱりすごい。ＭＯＴＨＥＲ３のリメイク出ないかな〜、確率が低すぎるけど。

はぁ……久しぶりにミツキに会いたい、今は生まれ変わってるけど会いたい。言っておくけれど、シスコンじゃないよ。たぶん？

「……………。」

けど、しきかんどのがもぐもぐと晩ごはんを食べながら不機嫌そうにこっちを見てくるのは何で……。

「……先程、リュカの事を考えていたな」

またテレパシーされてた！！

「でもどっちかっていうと、妹のことだけど……」

「………………。」

更に不機嫌になった、ちょっとむくれてるしきかんどの可愛い。

「僕は可愛くはない」

「プライバシーの侵害ですよ〜」

「無意識でも感じ取ってしまう程、分かりやすい方が悪い」

そして、それに……と言ってしきかんどのは今度は無表情なのにちょっと顔を赤くさせる。

「無意識に感情を読み取れるほど、Aは僕に気を許しているんだろう？」

表情があんまり出ないから分かりづらいけど、嬉しいのか少しだけしきかんどのの口が笑ってる。

それでいて目を細めていて、まっすぐとこっちを見つめてくる。

そんな様子に私は緊張していていた。

まったくこの指揮官は……年齢に見合わず、どんだけオタクをときめかせるのか……心臓に悪すぎる。まぁ推しだから良き、好き。

はぁぁああぁ、こんなイケメン産んでくれたヒナワさんありがとうございます。あ、でも人格形成した原因が元々はポーキーくんな訳で。

いや、やっぱり糸井さんが神だ。糸井さんありがとうございます、次なるグッズ待ってます。

そう思っているとしきかんどのは気分を良くし始めて、獲物を見るような目をし始める。それに気がついた私はハッとする。

つい、やってしまった。

あのニッポリートさん、ニコニコしないで助けてくれません？

ひょっとすると私、食われてしまうのでは？ それはもう、いやらしくねっとりと食べられてしまうのでは？！

そうプルプル震えてたら就寝時間に。

「一線は超えないから安心してくれ」

まったく安心できなかった。

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