帰宅その2 後編 ページ33
一難去ってまた一難、少し修羅場の気配を感じながらもひとまずは身の危険が去った事に胸を撫で下ろす。
声の方向からして、後から聞こえたので振り向くと推しに片腕を抱きしめられる。
それには私も驚いて、クラウスは「離れろよ、 今は僕の番なんだぞ!!」と言いながら負けじと反対側で同じように腕を抱きしめる。
あぁ、なんかこういう光景をラノベとか少女漫画で見た事があるな。まぁ私は逆ハーレムとか、4角関係とかを築きたい訳じゃないけど。
ここから逃げ出したい、争うなら2人だけでやって欲しい。
面倒くさい事が苦手な私は少し他人事にそう思っている中、やけに冷たいしきかんどのの声が夜の墓場で響く。
「なら、なんだとでも? あの無様な様子を見せておいて、そう言えるのか?」
しきかんどのらしい、容赦の無い言葉と態度にクラウスはたじろぐ。
「それは……」
クラウスは視線をさ迷わせて、徐々に下へと向ける。キツイ一言だけれど、別に私は気にしてない。むしろ、誰だってそうなると思う。
それに、あんなグロテスクなのが出ると分かっていてニッポリートさんに土下座して頼み込んだのだから。自分が原因で、そう選択したのが悪い。
だからそこまで責める必要は無い。けれどもしきかんどのはクラウスの事を気にした様子も無く、更に槍のように尖った言葉を遠慮なく浴びせる。
「Aの事を思うのなら、配慮をするのは当然だ。夜もまともに外で行動できない場所に住んでいるのだから、サポートは必要不可欠。だがお前は取り乱し、役目を放棄した」
そう言ってしきかんどのは言っているけれども、視線は私に向けられていた。けれども、普段とは少し違った様子。
暗い雰囲気のまま、またボコりと土の中から這い上がるゾンビにしきかんどのはすぐさま雷を落とす。
やっぱりしきかんどのは容赦ないな、そういう所も"推し"として好きだけれど。
「でも、ニッポリートさんに悪いけれど……こんなところに自分で住んで怖がってる方が悪いし。私は全然気にしてないから、いいの。そこまで言わなくてもいいでしょ?」
「……わかった」
そう言ってしきかんどのは頬擦りをするけれど、どこか納得していない様子だった。そしてクラウスはすっかり落ち込んだ様子でいたから、キュッと手を握る。
「あんまり気にしなくてもいいから、しきかんどのはちょっとストレートなだけだし。それに、守ろうとしてくれたでしょ? ありがと」
「……へへ、Aには叶わないなぁ」
2人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リスタ - 誕生日ですか!おめでとうございます!オリビア「おめでとう♪」ドーリア「おめでとう。素敵な日々になれると良いな。」リスタ「おめでとうさん♪ゆっくりもお祝いするぞ♪」オリビア「リュカ達は女の子にアピールされたら、どうするのかな?」カルリ「おめでとう。」 (2021年6月22日 0時) (レス) id: 85e8ed9632 (このIDを非表示/違反報告)
水性さん(プロフ) - 今日はあほの誕生日、明日はエッなやつが出せるように頑張ろう。 (2021年6月21日 22時) (レス) id: fcb6599f46 (このIDを非表示/違反報告)
リスタ - リスタ「しきかんどのよ…。リュカの事…どう思っているんだ?」オリビア「兄弟揃って恋してるのね…♪」リノア「リュカも夢主と結婚したい気持ちは分かるけど、しきかんどのも結婚したいのね。」リスタ「更新は頑張ってよ♪無理はしないようにね。」 (2021年6月17日 15時) (レス) id: 85e8ed9632 (このIDを非表示/違反報告)
リスタ - 今度はリュカとのデートですか…。ナツルを助ける為に来たんですね。カルリ「リュカとのデートがちょっとシリアスらしいわ。」ドーリア「しきかんどのは、どんだけ夢主ちゃんを守りたいんだ?他の男から守る為か?」 (2021年5月22日 0時) (レス) id: 85e8ed9632 (このIDを非表示/違反報告)
水性さん(プロフ) - リスタさん» きっと夫婦でイチャイチャしていることでしょう。これからはもっとギリギリを攻めていきたい。それで男の子はアルバス、女の子はルミリア……とかかな。名前はMOTHERワールドに合わせてる。更新頑張るます。 (2021年5月1日 0時) (レス) id: fcb6599f46 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:水性さん | 作成日時:2020年9月16日 13時