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失言 ページ21

Aside



休養明けから数日後。





『あー! 暇だぁー!! 任務行きたーい!』

「うっわあんな大怪我したってのに任務行きたいとか変なこと言ってるやつがいる」

『変なこととはなんだ! 変なこととは!』




放課後の高専の教室。私は硝子と二人であてもない雑談を交わしいていた。

今日は五条も夏油も任務に行っているから不在。
なので今日は授業もなく、任務も入っていなかった私は自動的にやることがなくなるわけで。


暇を持て余すのもなんだかもったいない気がしたので、寮にいた硝子を引っ張り出してき、話し相手として付き合わせることにしたのだった。

まぁこういう事は何度もあるし、硝子も硝子で嫌がったりとかしないので問題はない。




『あーあ、早いところもう八月かー半年なんてあっという間なんだろうなー』

「まぁそんなもんでしょ、四年間なんて」

『そうだねぇー…というかホントにやることないな。硝子、今から遊びに行かない?』

「遊びにってどこへ?」

『んー暑いしプールとか』

「却下」

『即答じゃん』




食い気味な硝子の返事にケラケラと笑う私。いやぁー硝子の水着姿一回くらい見てみたいもんだけどね。

というかプール行くよりもジャージとか買いに行く? って誘ったほうが良かったかもしれない。なんたって高専の制服は夏用などの制服を要望しない限り年中長袖なのだ。

しかも上下真っ黒だから熱がこもりやすいし。とにかく熱い。


そんな事をゆだるような暑さの中でパタパタと顔を手で仰ぎながら考えていると。





「そーいえばAってさ、最近甘いもの食べる頻度多くなったよね」

『え?』

「いや、ふと思っただけ。前まではAが甘党だって思ってなかったから」

『そっか。…まぁ最近いろいろ悩みとかよくするようになったからかな。それに若者に悩みはつきものじゃん?』

「へぇーAでも悩み事とかあるんだ。なに? まさか恋愛の事とか?」

『(ギクリ)…いやいやいや私一応呪術師なんだよ? 愛とかそういう感情は呪いに成り果てることがあるんだから、ましてや恋なんてするわけ』


「誰もAが恋してる事なんて言ってないんだけど」



『………。』





墓穴を掘ったとはこのことか。
硝子にそう言われ、自分の失言に気づいた私は思わず消えたくなった。


そんな私をじっと見ていた硝子は「…はっはーん、さしずめ高専内で気になるやつできたんだな」って言うもんだから、もう恐れおののいてしまった。

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作者名:すば | 作成日時:2022年11月20日 20時

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