記憶喪失な女の子は左馬刻様に溺愛される2【碧棺左馬刻】

Episode58 ページ8

乱「でーきたっ！」

そう言って乱数は満足そうに笑った
…すごい…
目とかはキレイにアイラインが入ってるし、チークとかグロスの色合いも絶妙で、私好みだった

乱「髪さ〜、どんなアレンジがいい？」
別になんでもいいよ、と言おうとしてハッと思い当たった
A「ポニーテールかな…？」
乱「りょーかいだよ！」

乱数は私の髪をとかすとくるん、とポニーテールにしてくれた

乱「あーもうあんま時間ないっ！あと、テキトーにこれ着てね！時間きたら呼びに来るね！」
乱数はバタバタと楽屋を出ていった


ぽかーんとしながら服に袖を通す


左馬刻見てくれるのかなぁ…
ポニーテールにしたのは、前に左馬刻が髪あげてるのが可愛いって言ってくれたからなんだよなぁ…
自覚はないんだけどね…見てくれたら嬉しいなぁ…



そんな感じで服を着て、ボーッとしていると、乱数が来た


外にある特設ステージの舞台袖行くと色々なモデルさんがさっきの展示会で見た服を着てランウェイを歩いていた

A「あの人たちの中の誰かにこれ着て出てもらえば良かったんじゃないの…？」
乱「あ、そっか〜！その発想はなかったな〜！」
A「なんか嘘くさいけどまぁいいや、乱数の服が着られるのは嬉しいし…」


と言いつつものすごく緊張してきた
乱数の新作がどうのこうのっていうアナウンスの後、いきなり誰かにドンッと背中を押された
勢い余って舞台袖を飛び出してしまい、ステージに出る
人、人、人、…
あまりの人の多さに頭が真っ白になって手足はガチガチ、動けないでいると、観客の1番後ろに白い髪の人が見えた
ここからだと遠くて表情までわからないけど、左馬刻だってことは分かったから、ランウェイを歩いていく
折り返し地点まで来ると、さっきよりも左馬刻の顔がはっきり見えた

口パクでなんか言ってるけど、わかんないや
でも左馬刻が見てくれてるならちゃんと笑えるよ
髪あげたの似合ってるかな…？
そんな思いを込めぼポージンをして私はターンして歩いた

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