36 夢か現か ページ40
青峰side
「……………寝れねー、」
布団の中でため息を吐く。
頭の中では、
『…オレが、保健室まで、運ぶっス』
黄瀬の意志のこもった声と、
『…油断してると、取られちゃいますよ?
紫原君や、黄瀬君や、……………僕に。』
黒子に言われた言葉と、
『…ねぇ、大ちゃん、やっぱりね、あいちゃんは相沢さんだったよ…………』
帰り道、泣きそうな顔でさつきが言った言葉とがぐるぐる回って、
…………あーー……
頭をぐしゃぐしゃと掻いて寝返りをうつ。
…ぅあーー、なんだってんだよ、
.
…ちょっと外でも歩くか。
夜だけど、まあ、早く帰って来れば大丈夫だろ。
もう無理だ、と起き上がる。
パーカーを羽織って、靴を履く。
ドアを開け、暗闇の中へ足を進めた。
.
.
.
「……あー…、」
気付いたら交差点の向かいにあったストバスのコートを見てため息を吐く。
そんな俺の手にはバスケットボール。
…無意識に家から持って来ちまった。
最早なんかの病気だろ、とまたため息を吐く。
赤信号が揺らいでいる。
夜だというのに道路では結構な数の車が行き交っている。
と、ストバスのコートに誰かが立っていることに気付いた。
…こんな時間なのに、いったい誰が、
俺より若干低い背丈のそいつは、じっとゴールを見つめている。
.
夜風が柔らかく頭を撫でていく。
月明かりがそいつの短い髪の毛を照らして、
キラキラと光ったのは、
「……あ、お、いろ…?」
思わず呟いたそんな声は聞こえていない筈なのに、そいつは不意に振り返った。
青い、青い、それと、目が合う。
間違い、ない
あいつは、あいつは、
青い影
今すぐにもそいつの元へ駆け出したくて、
でも、それを阻むように目の前を過ぎていく大きな大きなトラック。
トラックがやっと通り過ぎた後には、
もう人影はなくて、
「…まじ、かよ…」
.
.
信号が青に変わる
思わず駆け出したその先のコートには、
やっぱり人っ子ひとりいなくて、
青い影は、忽然と、
90人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
AYATa212151(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2017年7月28日 13時) (レス) id: 60a99baea0 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - お願いします。更新停止しないで下さい。続きが気になって夜も眠れません。(とか言いつつ爆睡してます←)どうか早く続きをぉぉ<(__)>オネガイシマス (2016年7月21日 21時) (レス) id: 106f25dc6e (このIDを非表示/違反報告)
美麗(プロフ) - 更新頑張って下さい!めっちゃ面白いです ただオリキャラが多すぎて何が何だかわからなくなっちゃいました(笑) (2016年7月11日 6時) (レス) id: 685133b627 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ96%(プロフ) - りいあさん» ありがとうございます!最近中々更新できず…申し訳ないです…頑張ります! (2016年5月6日 16時) (レス) id: 87e8a0fa56 (このIDを非表示/違反報告)
りいあ(プロフ) - ハマってしまいました!更新頑張ってください! (2016年4月18日 21時) (レス) id: b47f4aff1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かまぼこ96% | 作成日時:2016年2月9日 7時