バスケとケンカと、はじまる恋と。【青峰大輝】

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黄瀬side




「…なんでそんな顔してるんですか？」


「…え？」







言われて気づいた。
なんて顔してるんだオレ…









桃っちのあの悲しそうな顔の意味が、
今ならよくわかる









.









.









.









「質問に答えて欲しいんスけど」









再び襲ってきた気まずい沈黙に耐えられなくて発した言葉。









「えー…」


「ほら、」


もう一度催促すればAはしばらく考え込む。









.








「…1つだけなら答えてもいいですよ？」









…は？いやいや、









「なんで1つだけなんスか？」


「だって全部答えたらおもしろくないじゃん」


「そこっスか！？」


もうすっかり通常運転のA。
いや別にオレは面白さを求めているわけじゃないんスけどね。


そう言うと「わぁ…人生つまんなくない？」とオレに言うA。余計なお世話っス腹立つ！！！









そんなオレを知ってか知らずか、Aはベッドの上に座ったまま「さあ、ドンと来い！」と言わんばかりにドヤ顔している。ホント、無防備…









.









.








…いや、何考えてんスか、オレ









突然浮かんできた考えを追い出すように慌てて首を振る。









と、そんな俺を見て「こいつ頭大丈夫か？」みたいな目で見てくるA。

いや誰のせいだと思って＿＿＿＿＿＿…









.









.








いやいやだからどうしたんスかオレ





心の中で自分自身に対して鋭いツッコミを入れる。









…いい加減むなしいんスけど。









とりあえず無意識に思考を続けようとするオレのこの思考回路を無理矢理断つ。









いまだにドヤ顔をしているAを見て、
思わずため息をこぼした。









.









これは選んで聞かなきゃいけない雰囲気









…じゃあ……









「どうして血が止まらないんスか？」









なんだか、この答えを聞いておかなきゃいけないような気がした。

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