バスケとケンカと、はじまる恋と。【青峰大輝】

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黄瀬side




大分呼吸も落ち着いてきたA。

「すいませんでした。ご迷惑をおかけしました」としきりに謝ってくる。








藍色の長い前髪にチラチラと見え隠れする藍色のそれと目があって、少しドキッとする。









あれ、この目どっかで見たことあるような…









と、そんなオレを気にもとめず、
「黒歴史だ…最悪だ…」とぶつぶつ言っているA。

はっきり言おう。とても気まずい。









とりあえず、と聞きたいことを尋ねる。


「あの、」


「何？」









「なんかあったんスか？」


「…え？」









１つ、口に出してしまえばそれはもう、堰を切ったように溢れ出して、

止まらなくて、


「なんで血が止まらないんスか、」


「や、あの、」


「どうして言ってくれなかったんスか、」


「えと、」


「どんな夢見たんスか、」


「それは、」


「バスケやってたことあるんスか、」


「ちょっと落ち着いて、」


「なんで突然自分のこと"俺"って言ったんスか、」


「う"っ、それは、」


「どうして！」









どうして…？なんで…どうして
どうしてどうして、









「…どうして泣いてたんスか、」


「……………………………」









「…どうしてケガしたこと言ってくれなかったんスか…？」


「……………ごめん、なさい」









.









.









オレは、なんだか、アンタに
頼って欲しいみたいなんスよ









自分でもよく分からないけど。

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