バスケとケンカと、はじまる恋と。【青峰大輝】

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青峰side





「寝てないでちゃんとやりなさい！！！」







どうやら先生はAが寝ていたことに対して怒っているようで。Aの腕を思いっきり引っ張って立たせた。

正直、あの先生は好きじゃない。









隣で油井が「…チッ、他の奴も真面目にやってないだろーが」と低いトーンで唸るように呟いた。

怖ぇ。









その間も先生はAに対して「日頃からそんなんだから」だの「たまには真面目にしなさい」だのぐちぐちぐちぐち言っている。




確かに他の奴だってちゃんとやってないのにな特に男子。









まあ、この先生は男子贔屓で有名だしな…
Aが毛嫌いされてるっていうのもあるだろうし。









と、その先生がこちらにスタスタと歩いてきたと思ったら、「黄瀬くん」と呼んだ。



お、おおう、さっきと全然声違うな
どっから出してんだその声。









「なんスか？」


「おねがーい！あの子にバスケ教えてあげて！！」









………………は？









全員がそう思ったようで、黄瀬も唖然としている。
ってかもう1人の先生、柳川先生も唖然としている。









「待って下さい！！Aには私が教えます！！」


「だめ。油井さんと組んだらまたあの子だらけるでしょう」


「いや、先生これには事情が、」


「ね！おねがーい黄瀬くん！！」









油井の言葉を遮ってまで黄瀬に詰め寄る粉かけばばあ。周りの女子の視線がやべぇ。

隣からも「結局黄瀬と喋りたいだけじゃねーかくそばばあが燃えろ」と物騒な言葉が聞こえる









「…聞こえてるのよ油井さん！」


「本当のことじゃないですかー！」


「あなたって人は、」


「分かったっス！分かったっスから！だから、ね？ケンカしないで！！」


「黄瀬くん…！あなたがそういうなら…」









「じゃあお願いねー」なんて言って去っていく先生。









.









.









「……………キモ、」









油井には逆らってはいけないと学んだ。

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