20 モヤモヤってなんだよ ページ23
青峰side
合同体育の時間、俺たちバスケ部はあまりボールに触らせてもらえず、ステージ近くで駄弁っていた。
なんでだよ。
と、それは置いといて、俺たちの話題といえばやっぱり、最近マネになった相沢の話と、
Aの話。
相沢は体育開始早々さつきと組んだ。
Aは俺の知らない奴と組んだ。
問題は、Aがそいつのことをユイさん、と呼んでいること。
「ほら、青峰っちと桃っちは苗字なのに、ユイって奴は名前なんスよ!」
「騙されてるんスよ!」とキャンキャン騒ぐ黄瀬。うるせー。
確かに俺やさつきのことを名前で呼ぶことはない。
そう思うと、身体の何処かがチクリと痛んだ。
.
.
と、Aにユイさんと呼ばれていたソイツがこっちへ歩いてくる。
Aは体育館の隅に丸まって寝ているらしい。
ソイツは俺たちの前で立ち止まり「こんにちは」と唐突に話し掛けてきた。
お、おう…。
「…なんスか」
「あ、ご心配なく私は微塵もあなたたちに興味はないので」
「……なんなんスかアンタ!!!」
「落ち着け、黄瀬」
「赤司っち…」
ケンカになりそうだったところを赤司が止めてくれた。
「初めまして、私の名前は油井奈々美です。ユイは名前ではないです」
「…へぇ、珍しい苗字なんだね」
てか、ナナミ?ナナミって…!
「ねー、アンタがAちんの幼馴染ー?」
明らかに低い声で聞く紫原と、
「…いいえ?私がAと出会ったのは中学校上がってからですけど?何か文句でも?」
こちらも低い声で言う油井。
紫原との間でバチバチと火花が散りそうだ。
なんでそんなに争ってんだよ。
「…てかアンタ、何の為にここに来たんスか」
「…あなたたちがAのこと、誤解してるような気がして」
「いや、アンタ藍澤Aの何を知ってるんスか」
「少なくともあなたたちよりは知ってる筈ですよ?」
今にも胸ぐらを摑み合いそうな勢いで睨み合う黄瀬と油井。
てかなんでそんなに黄瀬がAのことで張り合ってんだよ、とよく分からない感情が俺の心を支配する。
だって、この前はめっちゃ敵意むき出しだったじゃねーか。
そんなことを考えていた時だった
体育の先生の怒鳴り声が聞こえたのは。
「こらー!!!何してるの!!?!?!!?」
21 絶望へと落とされる→←19 これが母性本能ってやつですかそうですか
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AYATa212151(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2017年7月28日 13時) (レス) id: 60a99baea0 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - お願いします。更新停止しないで下さい。続きが気になって夜も眠れません。(とか言いつつ爆睡してます←)どうか早く続きをぉぉ<(__)>オネガイシマス (2016年7月21日 21時) (レス) id: 106f25dc6e (このIDを非表示/違反報告)
美麗(プロフ) - 更新頑張って下さい!めっちゃ面白いです ただオリキャラが多すぎて何が何だかわからなくなっちゃいました(笑) (2016年7月11日 6時) (レス) id: 685133b627 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ96%(プロフ) - りいあさん» ありがとうございます!最近中々更新できず…申し訳ないです…頑張ります! (2016年5月6日 16時) (レス) id: 87e8a0fa56 (このIDを非表示/違反報告)
りいあ(プロフ) - ハマってしまいました!更新頑張ってください! (2016年4月18日 21時) (レス) id: b47f4aff1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かまぼこ96% | 作成日時:2016年2月9日 7時