バスケとケンカと、はじまる恋と。【青峰大輝】

12 気まずすぎて辛い ページ14

黄瀬side




藍澤A




最近オレが気にしている女子2人のうちの1人だ。









ちなみにもう1人は相沢愛菜。
この前突然マネージャーになった女子。
青峰っち狙い、らしい。

だからこそ桃っちが危ない
とオレは思っている。




桃っちと青峰っちは仲が良いから。









藍澤Aは、昨日学校に来なかった。
みんなに聞いても理由は分からなかった。






なんで誰も知らないんスか。









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で、今オレはなにをしているのかというと4、5人の女子に追いかけられている。
彼女らは1週間前ぐらいから付きまとってきていて、正直、うっとおしかった。

てか名前すら知らないし。






…彼女たちもきっとそう、









この世界のみんなはモデルの黄瀬涼太を見ていて、






オレのことは見ていない。









オレはモデルの黄瀬じゃなきゃいけなくて、






オレではダメ。









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…楽しくない。つまらない。分からない。









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分かりたくもない。









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体育館の裏の秘密の扉









いや、秘密はちょっと大げさかもしれないっスね。
あまり知られていないその抜け道は、オレのとっておきで、






オレは1年生の頃から、どうしても1人になりたい時とかに使っている。






きっとここを知っているのはオレだけ。
そう思っていた。






のに、

何故いるんだ！！！藍澤A！！！









え！？本当になんで！？とドアを開けた格好のまま固まってると、オレの気配に気付いたのかこちらに振り向く藍澤A。

え！？これ何！？ちょー気まずい！！！







「あ、黄瀬さん」


「………っス」


「どうも」







しばらくの沈黙の後「とりあえず座ったらどうですか？」なんて言う藍澤Aの言葉に無意識にソイツの隣に座る。いやいや何してんのオレ！！？

と、藍澤Aはスマホからノートに何かを熱心に書き写していたらしい。


「…何、してたんスか？」


「…あー……ノートを、写させて貰ってました」


「こんな所で？」


「………えー…と、」


何故か言いにくそうに考え込むコイツ。









あれ、そういえばコイツは他の人みたいに騒いだりはしないなーなんて、女子みたいに香水の匂いとか全然しないなーなんて、




割とどうでもいいことを考えたり、



なんか調子狂う。






「なんか、教室には居づらくって」

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