第三十九話 花と鉢合わせ ページ40
「こちらは椿というお花です。東の島国から取り寄せたものでなんでも雪の中でも咲くお花だそうですよ。アリス様のお城はいつも雪が降っているとお聞きしたのでこれなら大丈夫かと思い育てていました」
「へぇー、雪の中でも咲いちゃうんだぁ・・・」
初めて見る赤い大輪の花に目をキラキラさせる
「私の目と同じ色だ!きれー!!」
「宜しければお城にお持ち帰りしてはいかがでしょうか?」
「いいの?そしたら私、一生懸命お世話するね。ねぇステフ、このお花はなんていうの?」
「こちらのお花はですね・・・・・・あら、ルネット様」
足音にステフが振り返るとルネット・ラザフォードが優しい笑顔で二人を眺めていた
「ルネット・・・・・・?」
その名前に心当たりがあったのかアストリッドも振り返るとその顔が一瞬にして引きつり強張った
「ラザフォード・・・人間!」
低く威嚇するように唸りステファニーに気付かれないよう殺気を込めた魔力をラザフォードに向け放つ
「あらルネット様、お早いですね」
「予定より早く仕事が終わりましたので。ステファニー様、そちらの可愛らしいお嬢さんはどなたですか?」
「あぁ、ご紹介致します。こちらは私の友人でアストリッド様。アリスさん、こちらはルネット・ラザフォード伯爵です」
「はじめましてアストリッド様。ルネットとお呼びください」
「・・・・・・」
ついっとそっぽを向き視線を花壇に戻す
「あらあら、ごめんなさいルネット様」
「構いませんよ。いきなりで彼女を驚かせてしまったこちらにも非があります」
「ねぇステフ、お庭はもう飽きた。ステフのお部屋に行こう?」
「そうですね、ではお部屋でお茶にいたしましょう。ルネット様もいらっしゃってください」
「いえ、せっかくですが遠慮させていただきます。ご友人と楽しんでください」
「ですが・・・」
「そもそもステファニー様の私室は男子禁制で男の私は入れませんよ」
「・・・そうでしたわね、ではまたの機会に」
「えぇ。失礼します」
ルネットはお辞儀をするとその場を去った
第四十話 伯爵と騎士もどき→←第三十八話 ルネットとギルバード

5人がお気に入り

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ストゥアート(プロフ) - 昔少女さん» コメントありがとうございます。更新頻度は遅いですが、楽しんでいただければ幸いです。これからもよろしくお願いします。 (10月22日 14時) (レス) id: df3bdd8f8f (このIDを非表示/違反報告)
昔少女 - あなたの生み出す想像の世界を私も漂っています。 (9月17日 15時) (レス) id: f6820b1fd8 (このIDを非表示/違反報告)
ストゥアート(プロフ) - エリザさん» ありがとうございます。今週は期末試験期間なのでほとんど更新ができませんがこれからもよろしくお願いします。 (2016年7月25日 20時) (レス) id: df3bdd8f8f (このIDを非表示/違反報告)
エリザ - 更新まっています(^_^)/~ (2016年7月25日 11時) (レス) id: fa956406d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ストゥアート | 作成日時:2016年7月4日 21時