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この子をつかまえたくて、
ただそれだけに必死で・・・



「たあ、風邪ひいちゃう」


慌てた口調で言うたAちゃんは、
もういつもの優しいお姉さんに戻ってた。



「店、戻ろか」


そう言うて、
歩き出したけど、

Aちゃんはキラキラの街路樹の下に、
立ち止まったまんま。


少し戸惑った顔してて。


「私、この辺りでお茶して待ってるよ」


そう言う。


「舞ちゃんの事は、
気にせんでええから。
俺は何とも思ってないし。
Aちゃん、誤解して、
やきもち妬いたんやろ?」


からかったったら、

ぱあって、頬が赤く染まった。


可愛い。

どうしよう。



俺まで照れてくる。


「そんなんとちゃうよ」


強がりのセリフ。


「嘘つきやなあ。
あんな泣いてたくせに。
何なら、泣きじゃくってたやん」


やり過ぎた?


Aちゃん、黙り込んでもうて、
ぷいって、そっぽ向いた。


「・・・意地悪」


そう呟いた、
その目が少し潤んできて、
せっかく涙乾いたのに、
また泣かせてまいそうで、めっちゃ焦る。


「・・・ごめん。
けどめっちゃ嬉しかった。
俺、ずっと前から、
勝手に好きやったから。
やっと振り向いて、
俺のこと見てくれた、って・・・」


慌てて言い訳したら、
Aちゃん、ほんまに驚いた顔してる。


「ずっと?」


聞き返された。


恥ずかし。


「うん。
ずっとや」


やけくそで言うて、
包んだ手を恋人繋ぎに変えて歩き出す。


Aちゃんがいたずらに微笑んで、


「ねぇ、ずっとっていつから?
ねぇ、ねぇ、教えてよ」


形勢逆転でいじめてくるねん。


「ずっとはずっとやんか」


俺の顔、絶対に赤いやろな。


でも、
Aちゃんの意外な一面、見れて、

めっちゃ幸せ。

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ひみさ(プロフ) - このお話、切ないけどいいですね(///∇///) 続きも楽しみにしてます♪ (2017年12月28日 17時) (レス) id: 2e580a9b8d (このIDを非表示/違反報告)
般若(プロフ) - あー!!こっちの話も好き(>_<)たあ、、、。foolさんお得意の?←焦らしというか、互いのすれ違いがビビッと来てます◎はよ、たあと結ばれてほしい、、、。うわーん (2017年12月28日 14時) (レス) id: ebddda1dae (このIDを非表示/違反報告)
yume.no.(プロフ) - 今のお話の方が私は好きです☆年下たぁくんも最高ですね(*'ω'*)完結まで楽しみに読ませていただきます☆ (2017年12月28日 0時) (レス) id: 716f977705 (このIDを非表示/違反報告)
マッキー(プロフ) - あら!内容変わってる?!びっくりしました(笑)けど、得した気分♪ (2017年12月27日 23時) (レス) id: 91ea55fdc2 (このIDを非表示/違反報告)
えぬ(プロフ) - 新しい展開ドキドキします!前のも読めてよかったです!新しいのも楽しみにしてます(^o^)!頑張ってください! (2017年12月27日 11時) (レス) id: 0e23a7d5b0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2017年12月14日 10時

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