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店に戻ったら、


とっくに閉店してんのに、
カウンターの奥から、
錦戸先輩が、


「いらっしゃいませ」


声をかけてくれた。


舞ちゃんは、さすがにもう帰ってみたいで、
錦戸先輩一人でホッとした。


「ホットレモネード、
サービスさせて頂きます」


やけに丁寧に言うて、
俺を見て、にやって、唇、歪めて笑う。


錦戸先輩て、性格は急に子供っぽい時あんのに、
なんでこない色気あんねやろ。


Aちゃん、ドキンてなってないか、
気になってしゃあないわ。


「ありがとうございます」


冷え切った体には、ありがたい。


喉元を通った瞬間に。


「大倉、良かったな!
大好きな人にやっと振り向いてもらえて。
俺のおかげやろ」


そんなん言うから、詰まってむせたやん。


けどまあ、錦戸先輩のおかげっていうんも、
あながち、嘘ではない。


もう帰ってくれへんかな。


絶対に俺の心ん中、読んでるくせに、
読んでるせいか、

なかなか、カウンターから出て行こうとしてくれへん。


「大倉とはどこで知り合うたんですか」


余計なこと、聞いたりしてる。


人見知りのくせに、

Aちゃんには感じひんみたいや。


けど、分かる。


Aちゃんもヤスも、
人をリラックスさせる雰囲気があるねん。


「忠義くん、弟の高校大学の友達なんです。
高校生の時、
弟が試験明けかなんかの日に家に連れて来て・・・
あれ、学祭の時やったかな?」


出会い、忘れられてるやん。


何気にショック。


けど、忠義くんて呼ばれんの、
慣れへんくて、ちょっと照れるけど、
にやけるわ。


「学祭ん時やって」


つい、口出ししてまう。


「バンドやるから見に来てって、
弟に頼まれて。
体育館でやってたんですけど、
すごい人気やって。
女の子たちにきゃあきゃあ言われてたよね?」


そこは記憶はっきりしてんねや。

ちょっとやきもち妬いてるような口調が嬉しいて、にやける。


「へぇ。
高校の時からの憧れの人なんや?」


錦戸先輩のにやにやが止まらへん。


もうめっちゃやりにくいわ。



「錦戸先輩、クリスマスやのに、
帰らなくていいんですか。
彼女とか待ってないんですか」


反撃してやる。

俺の事ばっか心配してたけど、
自分はどうやねんて。

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ひみさ(プロフ) - このお話、切ないけどいいですね(///∇///) 続きも楽しみにしてます♪ (2017年12月28日 17時) (レス) id: 2e580a9b8d (このIDを非表示/違反報告)
般若(プロフ) - あー!!こっちの話も好き(>_<)たあ、、、。foolさんお得意の?←焦らしというか、互いのすれ違いがビビッと来てます◎はよ、たあと結ばれてほしい、、、。うわーん (2017年12月28日 14時) (レス) id: ebddda1dae (このIDを非表示/違反報告)
yume.no.(プロフ) - 今のお話の方が私は好きです☆年下たぁくんも最高ですね(*'ω'*)完結まで楽しみに読ませていただきます☆ (2017年12月28日 0時) (レス) id: 716f977705 (このIDを非表示/違反報告)
マッキー(プロフ) - あら!内容変わってる?!びっくりしました(笑)けど、得した気分♪ (2017年12月27日 23時) (レス) id: 91ea55fdc2 (このIDを非表示/違反報告)
えぬ(プロフ) - 新しい展開ドキドキします!前のも読めてよかったです!新しいのも楽しみにしてます(^o^)!頑張ってください! (2017年12月27日 11時) (レス) id: 0e23a7d5b0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2017年12月14日 10時

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