空のような眼をしている君に【青】

積乱雲 ページ9

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「おじいちゃん！」

「ん？？けいた、どうした？」

「あのね！昨日って、このお兄ちゃん以外にこの町に来た人って居る？」

「いや、居ねぇーな。」

「え？」

　又もや、居ないの一言。

　そんなはずない、そんなはずない。

　だって、昨日も話したし、一緒に帰ったし。

　沢山Aちゃんのことを聞いて、Aちゃんに告白して。

　Aちゃんと沢山好きを見つけて、夫婦になって。

　その先も、沢山沢山。

　いろんなことをしてみたかった。

　Aちゃんと一緒なら。

　沢山先のことにも挑戦できる。

　あぁ、僕。

　Aちゃんにずっと前から、恋してたんだ。

　一目惚れしてたんだ。

「あぁー、君が来てくれると、あの女の子のこと思い出すなぁ。」

「おじいちゃん！女の子って誰？」

「あぁ、Aちゃん。だったかのぉ？」

　え？Aちゃん？

「すいません、僕もその話。聞かせて貰っても良いですか？」

「おぉ。」

「でのぉ、可愛い子でよくここに飯を届けてくれてたわい。」

「確か、ワシらのような人達を助ける仕事についとって、子供好きだと言っとったのぉ。」

　Aちゃんが言ってた、ユニセフみたいな仕事。

　確かに、あってる。

　前に見たときみたいに、子供は好きだったみたいだし。

「ただ、3年ほど前に、事故で亡くなったと聞いたのぉ。」

「え,,,,,？」

　3年前？

　僕が初めてAちゃんに会ったのは、昨日。

　でも、おじいさんが話すAちゃんは、3年前に亡くなっているし。

　僕が合って、恋をしたのは。

　幽霊ってこと？

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