空のような眼をしている君に【青】

高層雲 ページ11

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　違う！！！

　こんな道、通ってない！

　きっと僕のことだから間違えたんだ。

　もう一度、あの町に戻って。

　もう一回思い出しながら行けば。

『ここで会ってるよ、論君。』

　僕の耳に、聞きたかった声がする。

　Aちゃんだ。

「良かった。ここに居たんだね。」

　Aちゃんと話そうと、体ごと振り向く。

『論君、昨日ぶり,,,,,だね。』

「今日、あの町に来なかったよね。何か用事？」

『うん、行けなくて。』

「じゃあ、今から行こうよ！きっとみんな喜ぶ,,,,,」

　言いかけて気付いた。

　Aちゃんの右手が透けていたんだ。

「Aちゃん、右手,,,,,」

『あぁ、本当だ。』

　何も動揺しない。

　え、可笑しくない？

「ねぇ、Aちゃんって死んでる,,,の？」

　不意に口が開く。

　おじいちゃんの話が本当であれば、僕の前に居るAちゃんは、死んでることになる。

　お願い、お願いだから、否定して欲しい。

　違う、今日は用事で行けなかっただけだって。

『そうだよ,,,,,3年前にもう、死んじゃってるの。私。』

　この言葉で、おじいちゃんの話とAちゃんの話が繋がった。

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