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Aは家族を知らないんだよなと考える。
兄弟はおろか父親もおらず、母親も途中でいなくなり既に亡くなっている。
仲良くさせたいなと思ってる。
自分で言うのもなんだけど、俺の家族は仲が良くて温かいと感じてるし。
特に俺の母親みたいなタイプは彼女にとって珍しいだろうし。
大胆だからあの人。
ハッと気を取り直す。
目の前にはノートパソコン、机の脇には参考書。
いけない、仕事しないと。
もうすぐ高校の夏休みは終わる。
俺は今1年のクラスを受け持っている。
特に問題はなくクラスは良好のように感じられる。
俺はあのときクラスを良好に出来てはいなかった。
同じクラスに二宮がいて良かったものの。
そこがAとの2年間の反省点。
だから瞬時に空気を感じられるようにはしてるつもり。
二宮といえばあの後わりとすぐにサシ飲みをすることになった。
何でも今は曲作りで暇らしい。
「先生さ、何でAと付き合おうと思ったの？」
「んー100％俺が悪くて突き放したんだけど偶然再会したときにやっぱり好きだと思って」
まだ二宮に自分の過去を話す準備は出来ていなかった。
俺が雪乃を亡くした過去を知っているのは当時を知らない人間に限るとAだけだ。
「へえ。良かったね。Aがフリーのときで」
二宮は鋭いから額面通りに受け取らないだろうが。
「それはそうだな」
二宮で思い出すのはあの卒業式の日。
あの後二人はどうなったのだろうかと気になっていた。
「先生俺に気を遣ってる？」
「えっ？」
「高校最後がああだったし？」
「ああ……。あれは二宮が正しかったよ」
でも俺は出来なかった。
逃げてしまった。
「じゃあこれからもこうして飲んでいい？」
「そんなの大歓迎。教え子と会う機会って多くはないし」
高校を羽ばたいてしまったらその後を知れたとしても大学専門までだ。
自分の生徒たちはどうだろうか。
元気だったらいいが。
「教え子といえば原眞季とテレビ局ですれ違った」
「あいつメイキャップアーティストとしてタレントもしてるんだっけ」
「そうそう。まああいつある意味目立ってたから人気出るのも頷けるけど」
「Aの言葉に触発された感じかな」
「私と同じステージに立ってってやつか。あれ凄かった」
原にスキャンダル未遂を仕組まれたときに返したAの言葉は今も記憶に残っている。
「飯塚A」の姿勢を感じた。
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ユタカ(プロフ) - さくさん» お熱いコメントありがとうございます！サクラサクラの頃から読んでいただいてるなんて有りがたき幸せです。月水晶の番外編ぜひお楽しみ下さい。ありがとうございます。 (2019年5月2日 10時) (
レス) id: a11f8fafa4 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - (続)他の作品もですがサクラサクラと月水晶を何度も読み返していたのでこの続編はめちゃめちゃに嬉しいです！続きも楽しみにしています！長々と失礼しました笑 (2019年5月2日 10時) (レス) id: fce84e79e3 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - 初コメです！サクラサクラからずっとユタカさんの作品を読んでいました！トゥザで次は、、、というのを見た時にまさか！？と思ってワクワクしていた所に通知が！嬉しすぎてコメントしてしまいました！(続) (2019年5月2日 10時) (レス) id: fce84e79e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユタカ | 作成日時：2019年5月2日 10時
