８９ Side You ページ21
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月曜日は競馬関係者にとって全休日だけど、私はひたすら原稿を書く日だ。
先週の重賞回顧、今週の重賞の展望、あとは有馬記念の予想原稿など、有難く忙しくさせてもらってる。
ふと思ったが前にプライベートな休日を過ごしたのはいつだっけ？
ライターと名乗るようになってから、騎手時代の遺産で仕事をもらってもう3年。
真面目にやってきたなあと振り返る。
そんなこと思いながらひたすらキーを打っていたときだった。
ピンポーンとインターホンが鳴って誰だと思いモニターを見たら。
「二宮先輩」
「入っていい？」
「はい、もちろん」
私は玄関まで行ってドアを開ける。
「どうして」
「お邪魔します」
珍しくライトフォーマルな格好をした二宮先輩はキャリーケースを持って家に入った。
「香港からですよね？」
「そう。お前の顔見たくて空港からそのまま」
「……おかえりなさい」
「ただいま」
昨日香港国際競走があった。
香港のシャティン競馬場で4つのG1レースが行われるもので、毎年多くの日本馬が遠征する。
先輩は香港カップというレースでグリーンライトに騎乗したが惜しくも3着だった。
「香港残念でしたね」
「グリーンライト自体は頑張っているんだけどね。届かなかった」
リビングで先輩の顔がいつもより白いと感じた。
「二日酔いですか？」
「ああ、ソファ借りていい？」
「どうぞ」
先輩はソファに寝転がる。
「昨日終わった後、翔ちゃんと武岡さんと飲んだんだけどさ」
「はい」
「あの二人強いだろ。おかげでこっちが潰れた」
武岡さんのお酒好きは有名であるが、櫻井さんも酒が強いのか。
「来て早々なんだけど少し寝るわ」
「おやすみなさい」
その後すぐに寝息が聞こえて私は静かに仕事をすることにした。
レースの後で疲れているだろうに私に会いに来てくれる先輩は優しい。
先輩後輩である期間が長かったからこの人が彼氏になったという実感はない。
まあそれ以上のことはしていますが。
二宮先輩と付き合う上で心配だったのが公私混同だが、先輩はいつも通りだし、私は原稿から漏れないようにしている。
私が一つの原稿を書き上げたときにふと視線を感じてそちらを見ると先輩が目を開けていた。
「起きていたんですか」
「うん、ちょっと前に」
よいしょと起き上がる。
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ユタカ(プロフ) - むにゃむにゃんさん» 読んでいただきありがとうございます。そう言っていただき誠に光栄です。ぜひ競馬場に行ってみて下さい。サラブレッドかっこいいですよね。 (2019年5月2日 8時) (
レス) id: 442d8bbd1b (このIDを非表示/違反報告)
むにゃむにゃん(プロフ) - アカシ〜！きっと勝ってくれると思いながらもドキドキしながら読ませていただきました。昔行った競馬場で見たサラブレッド達のキラキラしたオーラが忘れられません。また中山に行きたくなりました。素敵なお話しをありがとうございました。 (2019年5月2日 1時) (レス) id: 5224fbc573 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユタカ | 作成日時：2019年2月27日 9時
