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「見に行こうかな」
「絶対見に来いよ」
文化祭のパンフによると軽音のライブは午後1時。
それまでどうしようか。
「……お前どうすんの、今日」
こそこそと二宮くんは言う。
「どうしようかな」
「なら俺と回る？」
「……そうする？」
そういえばこないだ先生、二宮にひっついてるでもいいとか言ってたな。
「しっかりやれよ。相葉さんに言われたんだよ、飯塚に何もないようにって」
ひょいと先生が現れた。
「過保護だねお前のマネージャーさん」
「それぐらい飯塚が大事ってことだよ」
確かに雅紀くんは私の兄的存在だし、向こうも妹のように思ってくれてるみたいだけど、そうやっているのは事務所の方針というのが大きいだろう。
「じゃあ先生は俺がライブでいないときはAを頼むよ」
「飯塚どう？俺と一緒に見回りする？本当にただ歩くだけになるけど」
「はい。そうします」
「決まり。……皆この場でSHRするから集まれ」
先生の掛け声で皆静かになり、顔を向ける。
「今日が文化祭1日目。保護者などの限定公開だけど、明日の一般公開のリハーサルじゃないからな。適当にはやるなよ。……だけど、そんな気負わなくていい。結果的には皆が楽しめればそれでよし。じゃあ後は吉村と迫田に任せるわ」
こう言って文化祭実行委員の二人に引導を渡す。
こうして上がっていくボルテージに私は輪の中にいないけどそれに乗る。
そして文化祭が始まる。
私はこの日を忘れることはないと思う。
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作者名：ユタカ | 作成日時：2018年7月18日 9時
