尊きモノ 「銀魂 神威」

21《過去篇》最後の敵 ページ23

孤星の星を荒らし、
村人を容赦なくこき使う天人達。


その天人にも
いわゆるボスというものが存在した。



名は無い。

だが、忌々(いまいま)しい顔つきから



「閣下」


と呼ばれているそうだ。

天人全部隊をしきる 中心的人物。



ーーーーー

ーーー

…最近妙なことが起きている。


部下のもとへ見回りに行くのだが、

どうりでおかしい。





天人の数が減っているように見えるのだ。


まさか、あの弱者なる村人どもが

反乱を起こしている事は

ないはずなのだが……。




そして、今日も見回りに

いつもの洞窟へ行く。




ーーーーが、




突然激しい衝突音が洞窟内を響き渡った。


ボス「何事だ！！！」



部下に向かって叫ぶボスの声は、

洞窟の外にいた天人も思わず振り向かせた。




部下「そ、それが 閣下。

よく分かりませーーー……」




ボスのすぐそばにいた部下の声が途切れる。

目をやると

動かなくなり、倒れている部下。




ボス「これは一体……」


その瞬間、とてつもない大きさの木の幹が


ボスめがけて飛んでくる。



ボス「ーー！！」
間一髪、よけることに成功した。




すると、後ろから聞こえてくる声。


「ふーん、天人でも反射神経はいいみたいね」



ボス「……誰だ」



姿を現したのは

小柄な少女。キツネ色の髪が

さらりと肩にかかり、

その瞳は一点を見つめるように、無表情。



そしてボスをにらみつける目は、


子供とは思えないほど鋭い。



そう、神流だった。


神流「あなたが 天人のボス。

私の家族を奪い全てを地に落とした、


………私の、敵」






ボス「敵？……そうか、お前が部下を。

やるじゃねぇか 子供のくせによ」









神流「……許さない。

あんたはここで消えてもらう。







死をもってつぐないなぁぁぁ！！」

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