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暫く歩いて、やっとの思いでついたその場所には…

天「…おかえり。来ると思ってたよ。」

ベンチに座る先客がいた。



貴「いつからここに居たの?」

私が問うと、天月くんは前を指さした。
そちらに目線をやると、どうやら海が一望できるみたい。

花火しているメンバーもここから見えていた。

天「2人が行った10分後くらいかな。
ここ、見晴らしいいから。」

貴「ま、まさか…全部…」

にっこり笑う天月くん。
私はわなわなと震えながら一番怖いことを聞いた。
天月くんはこれまたにっこり笑って「大正解」って。

天「ぜーんぶ見てたよ。

凄かったねぇ…特に最後のほっぺた触ってた所。」

貴「わぁぁぁっ!!やめてくださ!やめて!!」

ニヤニヤして楽しそうだね…。
私は天月くんの頬をギュッと両側から挟んでなんとか止める。

暫くすると、天月くんは「いじり飽きた」と言わんばかりにベンチに座り直した。
で、私の方を見据える。

天「…ここに来たって事は、悩んでるんでしょ?


相談する?俺に。」

…どうやら聞いてくださるようだ。
もしかして、こうなることを予想して…?
違うか。

私は天月くんに全てを話した。

nqrseが好きだということ。
nqrseがれをるちゃんと付き合ったこと。

れをるちゃんとの関係を保つために私がluzくんと付き合っていると嘘をついたこと。

それが灯油さんにバレて告白されたこと。

さっきEveくんに告白されたこと。

最近は本当にnqrseが好きなのかもわからないこと。

真面目に聞いてくれた天月くんはしばらく考える素振りを見せて、
その後私に向き直った。

天「昔辛いことあった?」

貴「…え、あった、けど…」

天月くんの質問に驚きつつもちゃんと答える。
辛いことなんて山のようにあった。
天月くんは納得したように言葉を続けた。

天「多分、知らないうちに自分に嘘をついてたんだと思うよ?

ほんとは辛いのに辛くない。
ほんとは悲しいのに悲しくない。
ほんとは甘えたいのに大丈夫。
って感じで。
それが積み重なって、自分の気持ちが無意識の間に誤魔化されてるんだよ。」

心の中で何かがストンと落ちるような感覚になった。
確かに、そうしてきた事が多い20年だった気がする。
私は「…かもね」と答えた。

天月くんは私の答えにうなずいて、
花が咲いたみたいに笑ってくれた。

天「じゃあAのやることは一つだね。」

と、言いながら。
そう、私のやることは一つだ。

それは__

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あーら@夜行性極めたい(プロフ) - コミュ障のこみゅ@美術部員さん» ありがとうございます!続編も頑張りますねっ! (2017年8月28日 7時) (レス) id: e59c7036a4 (このIDを非表示/違反報告)
コミュ障のこみゅ@美術部員(プロフ) - あ、すいません、誤字ありました。呼は読です。 (2017年8月28日 6時) (レス) id: e6d185f329 (このIDを非表示/違反報告)
コミュ障のこみゅ@美術部員(プロフ) - おお!続編ですか!いつからこれ呼んでたかな‥‥あ、続編も頑張ってください!見に行きますね。 (2017年8月28日 6時) (レス) id: e6d185f329 (このIDを非表示/違反報告)
期限切れ(プロフ) - あーら@夜行性極めたいさん» おぉ!やった!無理しないでいいからね!楽しみに待ってるよ!続編も絶対見るね! (2017年8月27日 23時) (レス) id: 2f6dfeca9e (このIDを非表示/違反報告)
あーら@夜行性極めたい(プロフ) - 期限切れさん» わ、ありがとう!書いてみよっかな…!多分続編になっちゃうけど絶対書くね! (2017年8月27日 22時) (レス) id: e59c7036a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーら | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年8月9日 7時

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