第103話 ページ7
喜八郎side
小松田「バレてましたかぁ…汗……上手く隠れられてると思ったんだけどなぁ〜」
と草むらから姿を現し、葉っぱをつけたまま僕の前にでてきた小松田さん。
喜八郎「バレるに決まってるじゃないですか。頭完全に見えてましたよ。」
小松田「えぇ!?汗…もぉ……でもまぁ…Aさんがあそこまで思い詰めてるなんて気が付きませんでした…」
喜八郎「一番最初に気がついたのは小松田さんでしょ。立花先輩から話を聞きました。"Aさんの元気がない、自分が言ってもきっと大丈夫で済ませちゃうから彼女に大丈夫って言ってあげて。"って、小松田さんでも意外と心配するんですねぇ〜」
小松田「ぁはは…立花くん言っちゃったんだ汗…僕でもって失礼じゃないか!大事な後輩が元気がないなら先輩が頑張らないと!」
嘘だ。先輩後輩、という言葉を自分に言い聞かせているだけだろう。
何となくわかっていた。小松田さんもAさんを想っていることを。恐らく気がついていないのだろうが、彼女を見る時だけは愛おしそうな目をする。
まだ自分の好意に気がついてない無自覚な片思い。
ライバルが増えるのは嫌なので、まだ気が付かせるのはやめにしよう。
喜八郎「そーですねぇ〜そんなことより、ここまで着いてきたんですから、出門表にサインさせて下さいよ。」
小松田「あぁ!!忘れてたァ汗!!はい出門表!あと外出届け!」
喜八郎「はぁーい〜ここまで着いてくるなんてさすが小松田さん〜」
そう言って、出門表にサインをしてAさんと、自分の分の外出届を提出すると、嬉しそうに微笑んで受け取った。
小松田「はい!確かに受け取りました!」
『あれ?小松田さん??』
愛しい人の声が聞こえ、その声の主を探すために視線を動かすと、愛しい彼女が立っていた。
顔を洗ってきたようで、目元の腫れは引きスッキリしたようだった。
喜八郎「捕まっちゃいました〜うわぁ〜ん〜(棒)」
そう言ってAさんを抱きしめると、若干顔を抑えられて離された。
『どちらかと言えば小松田さんを捕まえてたようにしか見えないんだけど。抱きつきたいだけだろ。』
喜八郎「チェ……」
少し小松田さんに視線を動かすと、少し悲しそうな、寂しそうな、なんとも言えないような顔をしていた。
そうだよ。小松田さんの入る隙は無いよ。だから、諦めて。傷つかない内に。
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しのぶ - 夢主ちゃんが凄くかっこよくて好きです!更新を頑張ってください! (2022年12月30日 13時) (レス) @page11 id: 0ed4fa3946 (このIDを非表示/違反報告)
ホットパイ - こんにちは!! お話の内容が面白くて分かりやすいです!! 夢主ちゃん場所変わって欲しい!! これからも無理のない範囲で頑張ってください (2022年10月19日 19時) (レス) id: 1514e3e318 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - すみませんが、またお願いしていいでしょうか…?😣💧🙏今度は「予算会議見学編」とか、「忍術学園の文化祭編」っというリクエスト (2022年10月16日 19時) (レス) @page2 id: 4f4447b9aa (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 六年生の生徒達が助けに来てくれてよかったです!!心からホッとしました!!😂✨喜八郎君の猫っぽい面、可愛いかった…/////(~_~;)良い👍 (2022年10月9日 22時) (レス) @page11 id: 9f4c54b48a (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 喜八郎君は夢主さんを守ることができるのかが心配です…😥でも、夢主さんが言ってる台詞と本音はよく分かります。「私と同じだ…🥲」っと思って😌 (2022年10月1日 19時) (レス) id: 73961df6ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Spring | 作成日時:2022年9月25日 1時