十人十色な個性の爆発[忍たま乱太郎]

第45話 ページ47

兵助side

おばちゃんに言われた通り、丁寧に豆腐を作っていくと、Aさんが不思議そうに眺めていた。
豆腐作りを見るのは初めてか？と聞けば、彼女は頷き、豆腐のツヤについてを言葉にした。

その言葉を聞いて居てもたってもいられず、豆腐のことについて語ってしまった。
いつもの癖が出てしまった……と思い、謝ろうと口を開くと、彼女は嫌な顔ひとつせずに褒めてくれた。

そんなAさんの優しさに温もりを覚えつつ、話を聞いているとどうやら豆腐作りを教えて欲しいようだ。
その言葉に感極まり、思わず手を握って承諾すれば嬉しそうにしていた。

ドクンと心が跳ね上がり、Aさんの優しく微笑んでくれた顔に見惚れてしまった。

すると彼女の声に被せるようにタカ丸さんの声が響く。
その声にハッとして手をゆっくりと離すと、また後でといい向こうに行ってしまった。

少し手の温もりを思い出し、寂しさに浸っていると殺意らしき気配を感じた。
その気配をたどってタカ丸さんを見てみると、頬を膨らませムッとしておりいかにも不機嫌そうな顔をしていた。

俺なにかしちゃったかなぁ……汗


しばらくして、無事に装飾、料理などの準備が整い、伊助と三郎次に石人くんを呼んで貰いに行かせると、目を隠されフラフラとしながら手を引かれている石人くんが入ってくる。

そしてタイミングを見計らい、目隠しをとったところで自作していたクラッカーを鳴らす。
石人くんが目をパチクリし、わぁー！と声を漏らす。
喜んでくれているようで、こちらも嬉しい気持ちになりつつ、席に案内する。

石人「こんな素敵な装飾などを……私のために準備してくれたんですか！ありがとうございます！」

石人くんを席に座らせたところで、みんなで席に座って料理を囲むようにする。

伊助「Aさんも来てきて！せっかくの歓迎会だからみんなでやった方が楽しいよ！」

と伊助に手を引かれてAさんも席に座ってくれた。

石人「あぁ！あなたは確が新しく事務員さんになった……！」

『御嶽Aです！よろしくお願いします羽丹羽石人さん、そして火薬委員会に入会おめでとうございます！』

石人「はい！ありがとうございます御嶽さん！」

など和気あいあいとした会になり、三郎次や石人くんもAさんと仲良くなれたらしく、無事に歓迎会は大成功を遂げ、こちらとしても嬉しい限りだった。
これからも平和な日常が続いてくれるといいな……

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