2話 ページ4
Aside
鏡花ちゃんは私が紅茶を1口飲み、クッキーを1口齧ったのをしっかりと確認してから自分の紅茶に口をつけた
流石元ポートマフィア。そういう所はしっかりしている
『さて、そろそろ本題といきますか────初めまして、泉鏡花ちゃん。私はこの"異能図書館"の主、Aよ。宜しく』
鏡花ちゃんは黙って此方を見ている
『ん〜、何から説明しようか─「あなたは……」』
ふっと鏡花ちゃんに視線を向ける
鏡花ちゃんの目にはまだ警戒心が強く残っている様だ
鏡「あなたは……何者?」
…………何者、か……
一応、鏡花ちゃんの知ってる人の身内でもあるのだがそれは別に言わなくてもいいだろう
てか言ったら面倒臭いことになりそう
『何者………そうねぇ………』
強いて言うなら──
あなた達の"物語"に介入してはならない人物
本来、この"物語"に存在しない人物
あなた達の作る"物語"を人知れず見守る人物
『────傍観者、ってとこかしら』
鏡花ちゃんはいまいち理解出来ていないみたいだが、下手に理解されても困るしこれでいいだろう
鏡「……私の名前を知っていたのは?」
『さっき私は傍観者だと言ったでしょう?ずっと見てたもの。あなた達の"物語"』
鏡花ちゃんは成程、と納得した顔を見せた
ずっと見てたのも事実だけどそれだけではない
だって私転生者だし
少々罪悪感が生まれたが仕方ない
鏡「見てたっていうのは?」
『私の異能力よ。私の異能空間であるこの図書館は世界のありとあらゆる本を保管しているの。その中の1つ、"白紙の文学書"が此処では世界の辿る歴史を綴る、いわば"世界の日記"の様な役割なの』
そう、これが私の異能図書館の特徴
此処では白紙の文学書は、書いたことが実現する本ではない
1回どこぞの鼠さんに捕まって"本"を渡せと言われたけれども私は"本"の守護者じゃないし、此処の"本"の能力は現実のものとは違うから私にいわれてもお門違いもいいとこなのだ
『それと同時に、"白紙の文学書"は此処と数多の世界を繋げる役割を持つの。この世界に存在する数多の平行世界。その中間地点がこの異能空間よ。……で、その関係で時々精神体だけの色んな世界の人が迷い込んで来ちゃうのよねぇ……』
鏡花ちゃんみたいに、と付け足す
鏡花ちゃんが理解出来たかどうかは判らないが、大変困惑してることだけは判った
しばらく考え込んでいた鏡花ちゃんが口を開いた
鏡「なら……貴女はいつから此処に居るの?」
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朱音(プロフ) - 雪月さんありがとうございます!ひぇ……好きだなんて……!!めっちゃ嬉しいです更新頑張ります! (2020年11月9日 7時) (レス) id: 7033fb4795 (このIDを非表示/違反報告)
雪月 - メッチャ面白いですね!好きです…!更新待ってます! (2020年11月8日 23時) (レス) id: 75d6b88503 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱音 | 作成日時:2020年10月17日 18時