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10話 過去編 ページ12

「太宰さん、誕生日おめでとうございます」

その人は一目で作り笑いとわかるような下手くそな笑顔で私にそう言った

微塵も思っていない事をさも思ってますよ〜風に言われて若干鳥肌がたった

『……ええ、ありがとう』

言葉の主には一切見向きもせず、当たり障りのない言葉を返す

これ以上何かを言われてもどうせ何も変わらないと思い、そそくさとその場を離れる

今日は私の誕生日だからか、いつもよりご機嫌取りの人数が多くて疲れる

まあそんなことはどうでもいい

今日は兄様と姉様が早めに帰って来て下さるらしいのだ

2人とも学校の関係で2人の学校が休みの日以外は会えないことが多い

態々私の誕生日に合わせて早く帰って来て下さるのが嬉しくて、それを楽しみにいそいそと帰り道を歩いている

不意に後ろから声をかけられた

太「姉さん!今日は早く終わったの?一緒に帰ろ!」

後ろから駆けてきて隣に並んだ治がそう言った

ええ、と言って頭を撫でると治はにこりと微笑んだ

そこから後の帰路は2人で世間話をしながら帰った

いつもより何十倍も楽しい帰路だった

太「只今帰りました〜」

『…只今帰りました……?兄様?姉様?』

帰宅して何故かいつもより静かな我が家に足を踏み入れた

……おかしい

両親ならまだしも、兄様と姉様は早めに帰って来て下さった時は必ず玄関近くで迎えてくれるはずだ

でも今日はそれがない

靴はしっかりと玄関の靴箱に揃えてあったので家にはいるはずなのだが……

太「あれ、兄さん達居るよね?忙しいのかな……」

治も違和感には気付いたらしい

万が一の時は裸足で逃げればいいやと思い、靴を脱いで靴箱に仕舞う

『治、静かにね。いい?』

もし何かあった時のためにと思い、治にそう言った

治は静かに頷いて私達の部屋がある2階へ向かう

2階に着いた瞬間、ある臭いが鼻を掠めた

『っ………!』

一瞬見えた最悪の未来を頭から振り払い、治の手を取って先に進む

兄様と姉様の部屋に近づいて行けば行くほどその臭いは強くなって行く

太「ねえ、姉さん……これって………」

不安げにこちらを見る治にふるふると首を振る

震える手で繋いでいた治の手をぎゅっと握る

自分を落ち着かせる様に深呼吸をして、兄様の部屋の扉を開けた









その瞬間、視界に飛び込んできたものは

私が想定した"最悪の未来"そのものだった



*****
ひぇ…関連ランキング1位……!?

そろそろ眼科行った方がいいんですかね←

ありがとうございます!

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作品ジャンル:アニメ
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朱音(プロフ) - 雪月さんありがとうございます!ひぇ……好きだなんて……!!めっちゃ嬉しいです更新頑張ります! (2020年11月9日 7時) (レス) id: 7033fb4795 (このIDを非表示/違反報告)
雪月 - メッチャ面白いですね!好きです…!更新待ってます! (2020年11月8日 23時) (レス) id: 75d6b88503 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱音 | 作成日時:2020年10月17日 18時

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