色彩不明【文スト】 (ページ23)

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21話ページ23

太「森さん、そろそろ本題に入ったら？」

太宰君が呆れたように云った

森「あー……そうだねえ」

森さんは私を見て、太宰君を見て、中原君を見て、自分の掌を見た

そして云った

森「中也君。我々マフィアの傘下に入る気はないかい？」

轟音と共に床が砕けた

あーあーあーやってくれるじゃない

この床は銃撃戦にも耐える特別製の強化床材を使っている

つまりその床、修理に結構お金かかるのだ

なるべく破壊しないでくれると助かるのだけど

中「……あァ？」

地獄の底から出したような、中原君の声が聞こえた

だが、私も太宰君も森さんも、眉ひとつ動かさず、無表情のままだ

というか私に至っては退屈極まりないし興味の欠片も無い

一応首領の護衛役だから話は聞くが正直早く終わって欲しいそして寝たい

中「そんなクソったれな寝言を吐くために俺を呼んだのか？」

森「まあそういう反応になるよねえ」

森さんは好ましくない医療診察結果でも眺めるかのような表情だ

森「しかし私の見たところ、君の追うものと私達の目的はある程度一致している。お互い共有できるものを確かめ合ってからでも、返答は遅くないと思うが」

中「ハハ。意外だぜ。マフィアの新首領は、時間の無駄使いが趣味とはな」

……その嫌味今度使おう

中原君は笑った

そのまま相手の肉を食いちぎりそうな笑みだった

中「マフィアに入れだと？お前達マフィアがこの街に何をしたか……忘れたとは云わせねえぞ」