11.ようこそ ページ13
.
思い立ったら即行動ということで、部屋のダンボールを片付けるのを手伝うという名目で、やってきたのは駅近のAのマンション。
明らかに、一人暮らしをする大学生の家とは思えないほど立派な建物で、あいつの父親が金持ちな事を思い出す。
まぁ、拙僧もよくは知らねぇが結構いいところに務めているらしい。Aが父親と険悪と言っても過言じゃないほど仲が悪いのでそれ以上のことはほとんど知らねぇ。
教えて貰った部屋番号をエントランス前の機械に入力して、Aに開けてもらう。
おぉ、セキュリティもバッチリしとる。何かあったら心配だし、こういうのがしっかりしとる所にあいつが住んどって良かった。
Aの部屋に付いてインターホンを押すと、足音が聞こえドアがガチャりと開く。
「くぅちゃん、どうしたの?急に。」
「まぁ、入って入って」とドアを開けると上下モコモコしている部屋着を着ているAが目に入った。
でらかわいいが。拙僧のジャージを着とる時もそりゃたまらなく可愛かったが、これもこれでかわいい。
「入らんの?」
「はっ入る!!」
「お邪魔します」と言ってぺたぺたと裸足で歩くAの背中を追う。
どうやらAはスリッパが嫌いらしくて、昔っから家の中で裸足らしい。そのせいか、靴下も同様で家に帰ると靴下をまず先に脱ぐとか、前に言っていた気がする。なんだよこの要らねぇ情報は。
「緑茶でいい?」
「あー、別にそんな構わなくていい」
「そう?でも私が飲みたいから淹れるー」とキッチンにいるAが棚からお茶っ葉をだして、湯を沸かす。
「んで、どうしたの?くぅちゃん。急に。」
Aからの質問に「お前、引っ越したばかりだからダンボールかたすの手伝おうかと思ったんだけどよ、、」と部屋を見渡すも何処にもダンボールは見当たらず、既に片付けてしまったようだ。
ダンボールの片付けを口実にここに来たが、あるなら本当に手伝おうと思っていた。
「すぐにやらなきゃ、ずっと放っとくと思って」
「わざわざありがとう」と礼を言われるがこれを口実に家へ上がっていることを考えると罪悪感が生まれる。
別に悪いことをしとる訳ではない。これは、拙僧の一生に関わるかもしれん大事な作戦なのだ。
「あぁ、そうだこれ。引越し祝い、親父から」
家を出る時に、親父から持たされた少し大きめの紙袋。中身は見てねぇからわかんねぇけど多分菓子折りだろう。
___
入らん!!
251人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Spica(プロフ) - 琥珀さん» がんばります!ありがとうございます!! (2020年4月3日 1時) (レス) id: 96b0a1e7e5 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - くーこーくんかっこいいです!更新頑張ってください! (2020年4月3日 0時) (レス) id: 6a8db3737f (このIDを非表示/違反報告)
Spica(プロフ) - グミさん» コメントありがとうございます。空却くんかっこいいですよね、、。何度でも惚れ直しちゃいます笑更新がんばります!楽しみにしていてくださいね! (2020年4月1日 17時) (レス) id: 96b0a1e7e5 (このIDを非表示/違反報告)
グミ - いや,最高すぎません?くこくんカッコイイ…尊くて息するの忘れそうです。がんばってください!楽しみにしています!!! (2020年4月1日 14時) (レス) id: ac5428abc6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ